母の下着を

干すことを


母の下着を 

触ることを


ずっと避けていた。


恥ずかしい気持ちが

先にたって


なんとなく

触らないように

していた。


でも、今日は

違った。


干すことが

愛情のように思えた。


僕は、母のパンツを

手にとって


洗濯バサミにぶら下げた。


干してみたら

なんてことはなかった。


ワタシがなかなか

2階から降りてこないので

母が、2階に上がってきた。


干した洗濯物を見て

すみません、すみませんと

なんども母は、頭を下げた。


どーってことないよと

ワタシは言ったが


パンツを干された母は

たいへん緊張していた。


当たり前のことを

やっと出来るようになった

瞬間だった。



もう大丈夫だ。




なにがって、

上手く言えないけど


もう大丈夫だ。