マイクロバスを移動してほしい
といわれ、駐車場にいくと


もう 動かしてあった。



あれ?



誰が動かしたのか聞くと、



浜松から転勤してきた
イーモンだった。


ありがとう!



彼にお礼を言うと、笑った。

浜松のイーモン



イーモンの生家は、
千葉県千葉市。



電信柱もない田舎で育ち、
信号機すらなかったという。


イーモンの父は、
子供の頃から
クルマの運転が好きで、


中学生になった頃にはもう
立派に軽トラックを運転して
通学していた。


先生に見つかると
怒るので、


軽トラは、近くの田んぼに
乗り捨てていたが、


卒業式の日だけは、
ちゃんと校内に
軽トラを乗り入れたという。



そのクルマ好きが高じて
運転免許証も取得し、



今では、立派な
自動車教習所の教官と
なっている。




イーモンのお爺さんに当たる人も、
これまたスゴい人で、



無免許ながら、
2台の軽トラを
所有していたという。



類い希な無免許家族だ。



そう思うと、
イーモンって、


ちゃんと大型自動車免許まで
取ってるんだから
マトモだよね!




そういうと、


 


持っていないと言う。





へ?




「敷地内は、道路じゃないんで
免許はいらないんですよ」



職場長の久美ちゃん



ごめんね。




あの人に流れている血が
そうさせるのよ。




たしかに、
公道でなければ免許は
いらない。



無免許家族の血は、
脈々と引き継がれている。