武田鉄矢さんのラジオ番組は面白いのでよく聞いています。


その半生も浮き沈みも激しく劇的だったのでしょう  

(金八先生)が印象的ですが個人的にはその前のフォーク歌手としてのイメージが強く残っています。



福岡教育大生の頃に出した(母に捧げるバラード)が大ヒット。  大学を休学してプロになる事を決意、上京します。


レコード会社と契約して何とその年の紅白歌合戦に出演。   当時紅白出場なんて芸能界の頂点、権威のあるものでした。

まさに武田鉄矢 この世の春。



一方  武田家には5人兄弟がいて鉄也は末っ子 

 長男とは一回りも離れていて しかも早稲田大学卒でエリート街道を行く某商社のサラリーマン。


弟鉄也に触発されたのか兄は商社を辞め独立起業します。


一年ほど活動してた東京の鉄也は期待されてた次のヒットが作れず苦悶してる中  レコード会社が倒産します。   

すでに結婚もしていた鉄也は何とか返り咲こうと飲食店でバイトしながらも音楽活動をつづけますが  自分が去年出ていた紅白を仕事中テレビを見てたのが一番辛かったと回想しています。


その後しばらく頑張ったけどもう実家に帰ろうと荷支度をしてると…   映画出演のオファーが来ます


高倉健 主演 山田洋次監督【幸せの黄色いハンカチ】です。

演劇なんてした事なかった鉄也は何とか頑張って撮影を進めますが( 泣く)演技が出来ない,

とうとうロケの最終日 やっぱ自分には演技の才能も無かったわ…  細々と地元福岡でバンドしてよう と楽屋で独りボンヤリしているとノック音が 

  出ると  高倉健さんが微笑んでる


「兄ちゃん 楽しかったよ また 映画やろうな」


この一言で鉄也は号泣  あの天下の大スターがわざわざオレに挨拶しに来てくれた…   大声で泣いていると    ハイ! 本番スタート!


健さんの後ろからセットも役者もスタん張って監督がカメラ回してたというから山田洋次さんも只者ではないw


その頃  事業に失敗し兄の会社は倒産。 多額の借金だけが残ります。



何というベクトルとタイミングの真逆な兄弟なのでしょう?


その後も(三年B組金八先生) (101回目のプロポーズ)と数年おきにヒットを出す鉄也とは逆に 事業の失敗  無断で実家を担保に弟名義の保証人で借金を作ったりと兄はトラブルを起こします。




   長年弟を見下していた兄に対し敬語で話し、遊んだ事も無かった兄弟  鉄也は絶縁を言い渡しますが 母が庇い何とか和解  兄は講演会の忙しかった母(武田鉄矢の母として)のマネージャーというポジションで落ち着きます。


が 平穏な時も短く 99年に母イクが他界 その財産相続でまた兄は暴れてついに絶縁と。


その後遺産を元手に少しは成功した兄だったが 酒の飲み過ぎでガンに。 

弟鉄也も心臓疾患が見つかり緊急の大手術で生死の境を彷徨います


幸運にも鉄也の手術は成功し 退院リハビリをしている最中 電話が。


兄の妻から(もう会えるのは最後なのでせめて一度だけでも仲の良い兄弟のまま見送って下さい)との懇願。


迷った鉄也でしたが 考えると あんな最低なクズ兄貴ばかりを可愛がってた母親に自分は振り向いて欲しかった…    だからここまで頑張って来れた


その母はもういない (まもなく兄も)


と 会う事を決意し病院に行く


痩せ細った兄の笑顔を初めて見た鉄也は泣きながら(兄ちゃん元気出せよ)と手を握ると 兄は(今まで済まなかった…)と一言   

3日ほど後には還らぬひとになりました。



兄へのコンプレックス  嫉妬  色んな気持ちを整理して新しい役に挑む鉄也  

ゴルフをやめて合気道を始め肉体改造をしながらも役は老人役(水戸黄門)や 何と自分の母親の役を息子がするという舞台【母に捧げるバラード シリーズ】も意欲的に挑戦します。


出来すぎた兄だけを可愛がりすぎた母親が悪い 弟も出張り過ぎたから兄は破滅した などと たらればの話は想像できますがあまり意味はなく


ここで 思ったのは   


聖書の話【カインとアベル】でした 

  簡単に言うと 供物を要求した神に兄カインは農作物を 弟アベルは羊を  

   神は兄の供物を退け弟の羊を受け入れた。


兄は嫉妬して弟を騙し討ちで殺してしまう(エデンの最初の殺人)


神は怒り兄を野に放逐してしまう これがいわゆる【原罪】人は生まれながらに罪を背負っていてそれを贖う為に生きる  という考えです。


カインの末裔たちはその誰かに認められたい 嫉妬を超えたい という考え(カインコンプレックス)を昇華させる芸能や音楽 美術 の祖を生んだ。




結論を言うと 先ほどの たられば の話と同様に意味はありませんが 自分はこの武田鉄矢一家の話とカインとアベルの話を子供に説明して 兄弟は仲良く 一方だけ成功して片方は失敗 というのも辛いことなので お互い協力して喜びを分け合う関係でいてほしい   それだけですね



【了】