「ペーちゃん!」
「なーこちゃん!今度のお休み米粉パン食べに行こ!?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「行こうね!」

「ペーちゃん?」
「オダナナ〜、オムライス屋さん連れてって!?」
「はいはい!」

「ペーちゃんっ!」
「なに?」
「えっ!?」
「理佐ちゃんとこ行けば?」
「ペーちゃん・・・」
「ねるちゃん!」
「・・・・・・・・」


教室を出て、フラフラとグラウンドの隅にそびえ立つ、大きな欅の木下へ来た。

初夏の風がさやさやと、気持ちがいい…

でも、私の気持ちは・・・・・
涙が溢れた・・・


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「はぁ〜〜」

ため息をつくと

「梨加ー!」
「理佐ちゃん」
「今のは、冷たすぎ」
「んんんんん・・・」

自分でもわかってる。でもね…

「私には『葵』がいるの!」
「うん…」
「梨加には?」

泣きそう・・・

「梨加?」
「理佐ちゃん・・・」
だって・・・
「あいつ言ってたよ?」
「ん?」
「好き過ぎて・・・怖いって」
ばかなの?
「あははは!じゃない!?」
「理佐ちゃん、笑いすぎ・・・」
「んで?」
「行ってくる!」
「サボっちゃえー」

理佐ちゃんに背中を押され、教室を出た
あの娘は多分、あそこにいる・・・


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どの位経ったろう?
大好きな香りがした…

泣き顔を見られたくなくて、膝に顔を埋めたまま
大好き香りを楽しむ『来てくれたんだ・・』と…


「ねぇ?」

頭を撫でられた

「ねぇ…」

泣きそうな声

「・・ゴメンね…

泣いちゃったよ…

「「・・・・・・・」」

抱きつかれて、心臓がバックバク・・
抱きしめたい気持ちを抑える・・・
すると…

『チュッ』
キスされた・・・
もうー無理!

愛しい彼女の項をつかみ、ディープなキスをする
息ができないくらいに・・・


「梨加・・・」
「モナ・・・」

愛称で呼ばれ拗ねて、そっぽ向く

「可愛い…」

と、言われ耳が熱くなる
恥ずかしい・・・

「愛佳?」
「ん?」
「嫌い?」
「ん!?」
ゔゔ…
「ご、ごめんっ!」

大粒の涙を流し、勢いよく抱きつかれ倒れた
梨加に押し倒された?
乱れた呼吸が落ち着くように、背中をトントン…
梨加の香りに、こっちまで泣きそう・・・


「ゴメンね?梨加・・・」
「ゔゔゔ…」
「もう泣くなよー…」
ばか・・・
「うん…」
す  き…
「あはっ!」
「むぅーー」

すねた顔が可愛いくて、軽くキスをして


「愛してる・・・」

両手で頬を包み込み、真剣な目で伝える
すると…

「私だって・・・」
「うん…知ってる…」
「ばか愛佳…」
「うん…」

潤んだ目を閉じた愛しい愛しい彼女に
溢れる愛が伝わるように、キス・・・

「ありがとう・・愛佳」
「ん・・・」

不安にさせないようにしっかり、手を繋ごう…
離れていかないようにしっかり、伝えよう…
たくさんの思い出を、季節を作ろう…
私たち二人の愛を冷ややかな目で見られても
しっかり支え合って、前を見て歩こう…
『恋愛=男女』が、変われるように
『妥協』せず、自分たちの『意思』を貫き通す




私の『愛』を・・・