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【短歌-雑詠-】

眠れずに夜景眺める
病室のガラスに映る
影薄くあり

寂しさを思い出させる
病棟の廊下は
何故か蒼白く見え

東空
白から朱に
変わりゆく
見えぬ朝日が
朝を染めゆく

電線に絡め取られた風の色
まだ寒々と白く尾を引く
 
 
 
ぐるぐるメリーゴーランド
眺めてるつもりが
吾自身も馬上と知る

儚さに見ないふりして
あくせくと浮世渡りに
募る寂しさ

 
 
見覚えのある背に
滲む悔しさに
声掛けられず
ただ立ち止まる

悔しさと怒り悲しみ滲む背が
やけに小さく淋しく見えた

人知れず
涙見せずに
泣いていた
あの日の背中
今も忘れじ

あの人の面影探す
北風と行き交う人の
流れのなかに

横顔に
涙の理由(わけ)を
小心の
斟酌邪魔で
問うを躊躇う
 
 
 
堅苦し言葉並べて詠むよりも
もっと易しく詠めないものか

本当に心の中を詠えてか
己知らずの己の弱さ

仮初めの世に在りし身と知るなれば
手持ち無沙汰に歌も一興
 

不意打ちに
腰にイナズマ
襲い来る
注意一秒
油断大敵

#短歌
#三十一文字
#tanka
#雑詠