2024年、メキシコ・デンマーク・フランスのヒューマンドラマ。

リラ・アビリス監督作品。

 

出演は、ナイーマ・センティーエス、モンセラート・マラニョン、マリソル・ゲイス、マテオ・ガルシア、テレサ・サンチェスなど。

 

この映画、世界各地の映画祭で注目を集めた。

よー分からん監督に出演者だが、世界各地で注目されたのなら、オレもと馳せ参じた。

 

観る前に公式ガイドブックの作品解説を読んだが、まず、これがまずかった…

 

本作は父親トナの誕生日パーティに参加した7歳の娘ソルが、それが末期ガンに侵された父の最後のパーティとなることを知るという顛末を、様々な人間模様を交えて描いている。

 

要はそれが全部解説に書かれており、いざ観たら解説以上の出来事が起こらないまま終わってしまったのだ。


そのせいかソルの親族の複雑な人間模様に関心が持てず、「ん~ちょっとなぁ…」と感じてしまった。

 

家計を圧迫する治療費の問題や、傍目は円満な姉妹でもその実は、という描写はある意味で現実的ともいえる。

が、トナの死後もあの関係は改善せぬままなのか、という後味の悪さだけが残ってしまった。


良かったのは、ラストでの全てを悟ったかのようなソルの表情。化粧していたとはいえ、7歳とは思えないほどの色気を醸し出していた。

あとは、色。総天然色というか、彩度を上げた色彩は大好きな世界。

 

監督は実娘にこの作品を捧げている。それほど、パワーを込めたと思いたい。

もらった娘の心情はとりあえず置いておいて。


ま、魅せるところは魅せてくれ、95分という長さが短く感じられた作品でした。

 

星5つ満点で2くらいかな。