2006年、アメリカの戦争映画。

クリント・イーストウッド監督作品。

 

硫黄島2部作として、日本側からの視点とアメリカ側の視点で制作された。

 

この作品は2部、つまり続編である。

前作のアメリカ「父親たちの星条旗」に続き、本作は日本の視点からの硫黄島の戦いを描いている。そのためアメリカの作品でありながら、セリフの大半は日本人による日本語である。

 

第79回アカデミー賞では作品賞を含む4部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞した。これは日本で大きな話題を呼び、観客動員数に寄与したと考えられている。

 

出演は、渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童など。


ここでは二宮くんの演技に注目が集まった。

もともと演技力の高い二宮くんだったが、イーストウッド監督が更にその才能を引き出したように思う。

確かに、演技は特筆すべきものがあったと思う。

 

渡辺謙演じる栗林忠道(くりばやし ただみち)にも注目が集まった。

陸軍中将だった彼は、硫黄島守備隊に新しく着任した指揮官である。着任早々、従来の日本軍の攻撃方法である水際作戦を取りやめさせ、また不用意な突撃(いわゆる万歳突撃)、指揮官の兵士に対する体罰を禁ずるなどの施策を行ったことから、兵士からは驚きの目で見られるとともに歓迎されるが、指揮下の将校たちからは異端の目で見られる。

 

在米日本大使館の駐在武官を務めた経験があり、米国の生産技術や軍事力を侮ってはいけないと部下たちに忠告する。また腰には駐在武官時代に「友情の証」として米国軍高官から贈られたコルト(拳銃)のカスタマイズモデルを携行している。

 

この栗林中将がいたからこそ、ドラマが生まれた。

日本の将校にも、尊敬すべき人は大勢いたのだ。

 

戦争ものも毛嫌いせず、もう一度見直してみたいものだ。