1957年、アメリカのテレビドラマが映画化されたという当時としては稀有な例。

「法廷もの」に分類されるサスペンス映画であり、密室劇の金字塔として高く評価されている。

 

シドニー・ルメット監督作品。

腐るほど映画を撮っており、ファンは多いと思うが、ボクはその多くの作品を知らない。ごめんなさい。

 

出演は、ヘンリー・フォンダ、マーティン・バルサム、ジョン・フィドラーなどなど、個性を持った12人が集結し、作品を盛り上げている。

 

この映画、黒澤作品に良く似ていると思った。

それほど、一人ひとりの人物描写が細かいのだ。

 

制作費は約35万ドル(当時の日本円で約1億2600万円)という超低予算、撮影日数はわずか2週間ほどの短期間で製作されたらしいのも、うなづける。

 

しかし、同年度のアカデミー賞で作品賞など3部門にノミネートされたが、「戦場にかける橋」に敗れ、受賞には至らなかった。

 

この「戦場にかける橋」に近しい映画で「遠すぎた橋」というのを、ボクは覚えている。

当時、11歳だったボクは親父と映画を観に行った。それがこの「遠すぎた橋」だったのだが、いっぱいだった。

そこで違う階で簡単に座れる「ロッキー」を観たのである。

 

これが人生を大きく狂わせたことは言うまでもない。

それがために、このようなブログを書いているのだ。

 

とにかく、この「十二人の怒れる男」は、今観ても面白い。

当時はまで日本で陪審員制度がなかったが、アメリカでは当然のようにあった。

その陪審員が、ある少年の事件に出会い、有罪を信じていたのに一人の建築家の意見に「議論」することになるのだ。

 

いや、ほんと面白かった。

そして「遠すぎた橋」が満員だったことに、今更ながらに感謝する。