1998年、アメリカの戦争映画。
スティーブン・スピルバーグ監督作品。
出演は、トム・ハンクスほか、エドワーズ・バーンズ、マット・デイモン、トム・サイズモアなど。
第71回アカデミー賞でも11部門にノミネートされ、7部門を受賞。大きな成功を収めた。
スピルバーグ自身、最優秀監督賞を受賞。彼の大きな功績の一つとなっている。
この映画、なんといってもオープニングの壮絶なシーンに成功のカギがあると思う。
ノルマンディ上陸作戦を描いたものだった。
その常識を覆す残虐なシーンは「本当にあったことなの?」と疑問に抱いた人も多いと思う。
しかし、本当のことである。
ロバート・ロダットの脚本は、実話に基づいたものとされている。
実際に戦地に赴いた訳ではないと思うが、人類の「汚点」を見事に描いたのは賞賛に匹敵するであろう。
このリアルな映像は、POV方式を用いて撮影された。
敵の攻撃を受け手足が吹き飛ぶ、内臓が飛び出る、炎に包まれて爆死する、海水が血の色に染まる、曳光弾を交えた銃弾が衝撃波とともに飛来するなど、戦場の現実を生々しく描き、これまでになかった戦争映画として高い評価を受けた。
特に冒頭から約20分間にもおよぶオマハ・ビーチにおけるノルマンディー上陸作戦を描く戦闘シーンは、映画史に残る20分間だ。なお海岸線に並べられた三角形の障害物は、満潮時に着岸しようとする上陸用舟艇が傾斜面に乗り上げるよう意図していたが、作中では実際とは逆の向きに置かれているらしい。
とにかく、映画の歴史に名を刻んだ本作品。
観る前は、心して観てほしい。