1997年、イタリアのヒューマンドラマ映画。
ロベルト・ベニーニ監督作品。
出演は、ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキほか。
第71回アカデミー賞にて作品賞ほか7部門にノミネートされ、うち主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞を受賞。その他、他の映画祭の受賞作をあげればきりがない。
ベルーニ監督は主演をもして、そしてアカデミーでその演技を評価されるなど、只者ではない。
それほどまでに絶賛された。
「これは、私の物語である」から物語は始まる。
第二次世界大戦前夜のユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は、叔父を頼りに友人とともに北イタリアの田舎町にやってきた。
陽気な性格の彼は、小学校の教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)に一目惚れし、桁外れなアタックの末に駆落ち同然で結婚して、愛息ジョズエをもうける。
が、北イタリアに駐留してきたナチスによって、3人は強制収容所に送られてしまう。
母と引き離され不安がるジョズエに対しグイドは嘘をつく。「これはゲームなんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。いい子にしていれば点数がもらえて、1000点たまったら勝ち。勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」。
絶望的な収容所の生活も、グイドの弁術にかかれば楽しいゲームに様変わりし、また、周囲の子供たちと引き離されてしまった父親たちの助けなどから、ジョズエは希望を失うことなく生き延びることができた。
イタリアでの戦いが終盤を迎え、ナチスが撤退する混乱の中ジョズエとグイドは逃げようとする。しかしドーラを探す最中にグイドは見つかってしまう。
ゴミ箱の中に隠れていたジョズエを怖がらせないように、グイドはジョズエにウインクし、背中に銃を突きつけられてもまるで喜劇の主人公のようにジョズエの前を戯けて通りすぎる。グイドは最後の憂さ晴らしにとナチスの兵士にジョズエの見えないところで銃殺されてしまった。
朝を迎え、誰もいなくなったのを見計らいジョズエがゴミ箱から出てくる。すると父が語ったゲームの通り、砂埃から連合軍の戦車が現われ、若い兵士がジョズエを戦車に乗せた。若い兵士がジョズエを抱き抱え自らのヘルメットをかぶせられ外を見ていると、ジョズエは母を見つけ、再会する。
何も知らない母に「僕たちはゲームに勝ったよ!」と告げると母はジョズエにキスしながら「そうよ 本当に勝ったのよ」とジョズエを褒め讃えた。 成長したジョズエは父が命を捧げて贈り物をしてくれた、「これが私の物語である」と、物語を終えるのだった…
少しストーリーが長くなったが、グイド(ロベルト・ベニーニ)の笑顔が忘れられない。
戦争の真っ最中に、これほどの笑顔を子供に見せるなんて、子供を溺愛しているボクでも無理だ。
人間って、本当の姿や価値は、その死に際に現れると思う。
笑顔で死ねるなんて最高であり、そして最悪のシナリオである。
グイドはあの世で子供の幸せをしっかりと認識し、天使のように旅立ってくれたと信じたい。