1973年、アメリカのホラー映画。

ウィリアム・フリードキン監督作品。

 

出演は、出演はリンダ・ブレア、エレン・バースティン、ジェイソン・ミラーなど。

 

1973年というと、ボクは7歳だった。

「エクソシスト」というタイトルの響きが既に怖く、この映画を観たアメリカのおばあさんが実際に心臓発作で死んだという逸話があり、ますます恐怖心が増大した記憶がある。

 

作品も、第46回アカデミー賞の脚本賞と音響賞を受賞しているのだから、凄い映画だったと言える。

 

ストーリーも面白いのだが、ここでは映画にまつわる逸話を。

 

・女優のクリス(エレン・バースティン)が借りる家はプロスペクト・ストリートと36番ストリートにある家である。映画と同じく、その近くに「エクソシスト・ステップス」とのちに呼ばれた階段がある。

 

・脚本のウィリアム・ピーター・ブラッティらの意に反して「悪魔の勝利を描いた映画」とする見方が広まったため、数度にわたってエンディングの変更が検討された。しかし、予算の関係から、内容の変更は25周年記念版まで持ち越された。

 

・国交のないイラクでの撮影は極めて稀なケースだったが、血糊の作り方を教えることと引き換えに撮影許可を得たそうだ。

 

・初公開時、テレビの伝道師により「悪魔が映画のフィルムを形作っている」とされた。また映画の話題作りのため、フリードキン監督が撮影中の事故を誇張してマスコミに語ったため、噂が一人歩きする結果となった。

 

・言語研究所のドアの上に赤い字で「TASUKETE」(日本語の「助けて」と思われる)と書かれた横断幕が貼られていることが、公開時に雑誌「ロードショー」などで取り上げられて話題となった。

 

・フリードキン監督はテーマ音楽を当初担当した制作したデモテープを、彼の家族の見ている前で投げつけ、彼を解雇した。その後、マイク・オールドフィールドのものを採用した(映画のスコアはジャック・ニッチェに交代)。

 

・フリードキン監督は演出の際、45口径の拳銃やショットガンを持ち出し、カラス神父役のジェイソン・ミラーなどに過剰な演技指導をしていた。また演技経験のないダイアー神父役のウィリアム・オマリーが瀕死のカラス神父に告解を与えるシーンでは、感情を引き出すため、本番直前にオマリーの頬を平手打ちし、その動揺した姿のままで迫真の演技をさせた。

 

当初、スタンリー・キューブリック監督がメガホンを撮る予定で進行していたらしい。

しかし、撮影が長くなるのを危惧した映画会社はキューブリック監督をキャンセルしたらしい。

 

リーガンに取り憑いた悪魔に最初に殺される映画監督のバーク・デニングズを演じたジャック・マッゴーランは本作が遺作となった。心臓発作のおばあさんと言い、逸話には欠かせない映画となった。

 

合掌。