1981年、アメリカのホラー・コメディー映画。

「コメディー」と書いたが、これはアメリカ人が見た結果で、日本人にとってはホラー映画だと思う。

 

ジョン・ランディス監督。

「トワイライトゾーン/超次元の体験」での活躍を思い出して、このブログを書いている次第である。

 

特殊効果担当のリック・ベイカーは、同業者にあたるロブ・ボッティンが狼男映画「ハウリング」にて手がけた変身シーンに刺激を受け、本作では「明るい光の中での変身」という意欲的なシーンに挑戦。これにより、アカデミー賞のメイクアップ賞を受賞している。

 

日本では、公開当時、ホラー映画のSFXがブームとなっていて、その中でも評判だったのが「ハウリング」の狼男変身場面であった。「ハウリング」が夜中、暗闇の中での変身だったのに対して本作では「昼間」しかも「全身」という2点のポイントを売りにしていたのだ。

 

イギリスにヒッチハイク旅行へ出かけたアメリカ人大学生のディビッドとジャック。ある満月の夜、荒野を歩く2人は大きな獣に襲われる。

 

近くに住む村人達によって獣は射殺されたものの、ジャックはその場で命を落とし、ディビッドも重傷を負う。朦朧とする意識の中、獣の正体を確かめようとしたディビッドだったが、そこには男の死体があるだけだった。

 

治療を受け、順調に回復するディビッド。しかし、彼の眼前には死んだはずのジャックが度々あらわれる。ディビッドにしか見えず、時が経つにつれ腐敗していくジャックは「自分達を襲ったのが狼男であり、生き残って“狼男の呪い”を受け継いだディビッドは満月の夜に狼へと変身する」ことを告げ、呪いの連鎖を止めるためにディビッド自ら命を絶つよう進言する。

 

苦悩するディビッドが決断できぬまま、満月の夜が訪れる。歪んでいく全身を体毛が覆い、ついに巨大な狼へと変身を遂げたディビッドは、咆哮と共に街へ出る。通行人を襲いながら大通りを闊歩するディビッドだが、駆けつけた警官たちの射撃により絶命。

 

恐る恐る近づく人々が目にしたのは、人間の姿を取り戻し、静かに横たわるディビッドの遺体だった…

 

このストーリーだけでは、立派なホラー映画。コメディーの要素なぞ一切ない。

このあたりが、アメリカ人と日本人の感覚の違いだろう。

 

こういう感覚を大切にしている人は、大きな仕事をされている方だと思うのであります。