1968年、アメリカのSF映画。
フランクリン・J・シャフナー監督作品。
このフランクリン・J・シャフナー監督、「パットン大戦車部軍団」と「ニコライとアレクサンドラ」でアカデミー賞を受賞している。
その他「パピヨン」も撮っているので、大御所であることは間違いない。
主演は、チャールトン・ヘストン。
4人の宇宙飛行士を乗せてケネディ宇宙センターから発進した一隻の宇宙船が、およそ6か月の宇宙飛行を経て、地球への帰還を目指していた。
船長のテイラー(チャールトン・ヘストン)は準光速航行が、ハスライン博士の時間の理論に従って、船内時間が1972年、地球時間が2643年であることを確認した後、睡眠薬を注射して他の3人と同じように冬眠状態に入った。
トラブルが発生し、宇宙船はとある惑星の湖上へと不時着水した。着水と同時に冬眠装置が自動的に開き、テイラー、ドッジ、ランドンの男性3人は脱出したものの、女性飛行士のスチュアートは航行中の装置故障による空気漏れで既に死亡していた。
生き残った3人は沈みゆく船を離れ、ゴムボートで川を遡っていく。オアシスにたどり着いた一行は水浴びをするが、途中で何者かに衣服や物資を盗まれる。その後を追いかけた一行の前に現れたのは、原始人のような人間の群れを追いかける、銃で武装し馬に跨った猿の騎兵たちであった…
そして物語が進み、テイラーが海岸で見たものは衝撃的な「人間の運命」であったというお話。
このラストシーンが有名で、インパクトを残したことは間違いない。
本作の白眉ともいえる、猿の特殊メイクはジョン・チェンバースによるものであり、当時のレベルでは飛び抜けて精巧なものだった。アカデミー賞にメイクアップ賞が設立されたのは10年以上経った1981年であるため、チェンバーズはアカデミー名誉賞を受賞した。
このメイクが突き抜けて良かったため、「猿の惑星ジェネシス」でもCGではなく特殊メイクが施されている。
いや、ほんとにこのメイクには驚かされる。
ストーリーの骨子となっているのが、素晴らしい。
チャールトン・ヘストンが「人間の運命」に出会う前にオラウータンの特殊メイクを施した人=猿と「言ってはいけない」などと話をするのだが、そのセリフに重みを持たせているのは、このメイクだろう。
ま、チャールトン・ヘストンが出ていること自体で傑作である。