1962年、東宝のチャンバラアクション映画。
黒澤明監督作品。
主演はもちろん三船敏郎。
この映画、YouTubeなどで話題になっている。
それくらい、痛快でおもしろい。
元は、山本周五郎の「日日平安」の脚本がベースになっているらしい。
「用心棒」が大当たりし、気を良くした東宝から「『用心棒』の続編製作を」と依頼された黒澤。
ここだとばかりに、日の目を見ずに眠っていた「日日平安」のシナリオを大幅に改変し、主役を腕の立つ三十郎に置き換えて「椿三十郎」としてシナリオ化した。
なお、黒澤は「日日平安」の主役には小林桂樹かフランキー堺を想定しており、「椿三十郎」で小林が演じた侍の人物像には「日日平安」の主人公のイメージが残っているとの事。
ん~、やっぱり三船敏郎しかいないと思うのだが。
この映画、何と言っても、ラストの三船と仲代の決闘シーン。
ポンプを使う手法で斬られた仲代の身体から血が噴き出すという特殊効果が用いら、あの有名なシーンが実現した。
この手法自体はすでに「用心棒」で使われていたが、夜間シーンで画面が暗いことと出血の量が少なかったために「用心棒」では目立たなかった。しかし「椿三十郎」での印象があまりにも強かったため、殺陣において最初にこの手法を採用した映画は「椿三十郎」だと一般に誤解されるきっかけとなった。
とはいえ、血飛沫が噴き出す表現が、この映画以降の殺陣やアクションシーン等で盛んに模倣されるようになったのは事実である。他にも三十郎が、わずか40秒で30人を叩き斬るシーンなど殺陣の見所が多い。
見所どころか、カッコイイことこの上ない。
さらに、加山雄三と田中邦衛の若々しい姿に驚いてしまう。
この映画が二人のデビュー作と言っても、過言ではないように思う。
「七人の侍」をベタ褒めしたこのブログ。
プラス、「椿三十郎」もお忘れなく!