2005年、ロバート・ロドリゲスとフランク・ミラーの両監督に、クエンティン・タランティーノ監督もスペシャルゲスト監督として参加した、クライム・スリラームービーであり、ネオ・ノワールムービーでもある。

 

犯罪がうずまき、悪徳と欲望が栄える街。いつしか罪の街(シン・シティ)と呼ばれるようになっていた。

パーティ会場を抜け出した女に、一人の男がそっと近づいてきた。男は彼女の悲しみと孤独を見抜いて、彼女に煙草を勧める。震える女を抱き寄せ、愛を囁きかける。そして女が彼に気を許した瞬間、男は彼女を射殺する。

仕事を終えたその殺し屋は、女の小切手を奪って現金に変えた…

 

これが、オープニングである。

 

そこから、3つのエピソードとエピローグで展開される、男心をくすぐるエロティックで暴力に支配された映像で展開されるのである。

 

そのオープニング・3つのエピソード・エピローグとも、原作のもつ雰囲気を再現するため、極度に明暗を強調したモノクロ映像に一部カラーが挿入される演出となっている。

 

また、ストーリー上に流れるナレーションは、そのエピソードの主人公の声が流れており、そのナレーションが素晴らしくクールであることも付け加えておきたい。

 

詳しいストーリーは観てもらうとして。

 

出演者が、とにかく凄い。

ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、クライヴ・オーウェン、べ二チオ・デル・トロ、ジョシュ・ハートネット、ジェイミー・キング、カーラ・グギノ、イライジャ・ウッド、ルトガー・ハウアー、ロザリオ・ドーソン、ブリタニー・マーフィー、デヴォン青木、マイケル・クラーク・ダンカン、パワーズ・ブース…

 

と、面倒なのでこの辺で。

 

とにかく、シツコイがクールである。

これでもかっ!とクールの波が押し寄せ、圧倒されてしまう。

この作品に出たいがため、多くの俳優が逆オファーを出したとどこかで聞いたが、これはマジで本当の話だと思いたい。

 

「デスペラード」のロバート・ロドリゲスと「300(スリーハンドレッド)」のフランク・ミラーと、そしてタランティーノが組む映画なんてそうそうない。だから「おっ!」と思わせる何かがあっても不思議ではない。

 

ちなみに、タランティーノ監督は「スペシャルゲスト監督」とクレジットされているが、どのシーンがタランティーノ監督か、ボクはすぐに分かった。

 

ドワイト(クライブ・オーウェン)が車を運転中、助手席に座らせたジャッキーボーイ(べ二チオ・デル・トロ)の死体が喋りかけてくるという幻覚を見るシーン。ここが、タランティーノが監督したシーンである。

 

面白くもありシュールでもあり、そしてカッコ良くもあり、まさにタランティーノ監督のなせる業って感じだった。

 

あまり、この映画を語ることはできない。なぜなら「観てもらいたい!」からだ。

他の映画もそうだが、とにかく観てナンボ。


評価は★3つくらいと世間の評価は低いのだが、是非とも観てもらいたい。

女性の皆さんはイマイチかもですが…