ほとんど 重度の認知症の母。
よく、親が認知症になると その現実を
受け入れられない と 言いますが

たぶん、それは他人が無責任に言うだけ
と思っています。
少なくとも 受け入れられないという事は
ありません。
どんなにボケ方が進んでも これが現実と
思っています。

人から見て 受け入れられていない と
判断される基準は何なのか 
わかるようで きっちりと線で区切るような
分け方はできません。

私の場合は、親として存在していた母は
もういないと思っています。

親である事に変わりはないのですが
頼り、知恵を借り、助けを求めた
そんな存在ではないという事です。

自覚があるかないかの違いで
恐らく、認知機能が正常ならば
少なくとも 子 として居たと思います。

今は 親ですが、保護しなければならない
存在です。

それがまだ、親の部分が 母には
ありました。

寝不足が続き、疲れがマックスで
夜中 夢にうなされていた私。

寝ながら
変な夢を見ているという 自覚も
うなされている という自覚も
ありました。
寝ているのに 意識は起きている状態です。

ですが、その うなされている時

母が、
「どうした?大丈夫か?具合が悪いか?」
と、この上ないほど 心配して
私に話しかけていました。

その時の声と口調は
昔、私が高熱を出して 寝ていた時に
心配していた あの母親のままでした。

うつろな中で、
あー、まだ 親なんだ。 と思いました。

ボケても、まだ いい歳した私の親で

親として心配してくれているのです。

母親は偉大なのか と 思いました。