父親が生きていた頃
小豆島へ よく行っていました。

祖父母も 定期的に、団体でお遍路さんとして

お参りしていました。
父親は先達もしていて、案内を
よく頼まれていたようです。

私の母方の祖父は、行った事がないので
一度行ってみたいと 言っていたそうです。

そして、私が中学3年の冬休み
2泊3日で 両親と母方の祖父、なぜか私
その4人で小豆島へ行きました。

私もその時が初めてでした。

祖父のために島の巡り所を 全部巡りました。

祖父は、良い死に土産になった と
とても喜んでいました。

それから毎年、両親に連れられ
私も小豆島へ行きました。
私の杖も用意されて。

私は信仰心がないので 


ついて行くだけ でしたが
その頃の島の様子は、本当に修行の場だったり
地元の人の信仰の厚さを 感じる場所でした。

何回めの時か 記憶は曖昧ですが
やはり冬のこと

駐車場か どこかに停めた車の窓から
外を見ていた時

ある民家の外で おばあさんと
孫さんと思われる 小学生ぐらいの
男の子と女の子が 一緒に
大根を洗っていました。

おばあさんと 女の子が 水の入った
タライというのか
その中で大根を洗い、
男の子が運んていました。

その様子は ほのぼのとして
冬なのに そこにはあったかい空気が
漂っているようで、
私は 感心しながら 惹きつけられて
いました。

あれから数十年経っているので
おばあさんは亡くなられていると思います。
しかし、あの 男の子と女の子は
立派な大人になっていると思います。

あの優しさを 変わらず 
持ち続けていることと 勝手に思っています。

何故かわかりませんが
時々 あの時の光景を思い出します。

数年前 行った時は 
すっかり様子が変わり
お遍路さんの巡礼の地 というより
観光地になって 大勢の人で 
賑わっていました。

魅力を活かすのはとてもいい事ですが

昔の島の感じが 私は好きでした。

今は今で良いし、どこでも
収入は大事です。 

時代の変化には逆らえません。

私の記憶の中に
昔のままの 分教場や 
舗装されていない道

お遍路さんの歴史を想像させる

古い建物 それらはあります。

時々 あの時の記憶が降ってくるように

いきなり思い出します。
その時は、しばし昔の思い出の中を
巡ってみるようにしています。