ボケた高齢者を介護している人なら
誰でも経験する事の一つ、昼夜逆転。

なかなか厳しいです。

子供の頃から、認知症や寝たきりの年寄りが
身の回りにいて、介護する母親を
手伝っていたので、いろいろ経験していますが

働きながら 昼夜逆転に付き合うのは
体力がもちません。

夜寝るのは大抵、午前2時か3時になってから。

私が起きるのは朝5時。

実際の睡眠時間は 2時間あるかないかです。

「今は夜中。」と しばらく話しをして

3時頃になって、やっと母が寝て
それからすぐには寝つけません。
どんなに疲れていても、眠くても

30分程度、ぼんやりと考え事をしています。

認知症の人を介護している人が
時々事件を起こすのは、わかる気がします。

行動に移すか、踏みとどまるかの違いだと
思います。

何も考えず、感情や怒りに捉われて
事件を起こすのも、実行するのは簡単な事ではないと
思います。

辛抱強く介護するのも、これまた簡単では
ありません。

自分の親でも腹が立つ。 とか
経験者でなければわからない。 と

家族の人からよく聞きます。

わからなくもないですが
怒ってみても、どうしようもない事。

怒ってみても、認知症は治らない。
かえって悪化します。

母と話した時、「何も覚えていない。」
と言うので、「2秒も覚えてないもんな。」
と言うと、
「覚えるとかより、何もワケがわからない。」
と言いました。
それが全てだと思います。

夜中、寝る前に考えるのは
自分が子供の頃、どんなに母親が恋しくても

母親と一緒にいて、安心した経験がない事。

常に、雨降りだろうが 夜だろうが 暗い早朝でも 
どんな時でも、母は外で野良仕事をさせられて、
それから仕事へ行き、帰ってからも野良仕事。

働いた給料は、全て父親が没収してしまう。
母は自分の財布を持っていなかったし、
家計を任されたこともありません。

病気だろうが何だろうが 死にかけだろうが
タダ働きの使用人という扱いでした。


本当に働かされるだけの母。

女である私は、使用人の付属品。
男の兄は、大事な大事な長男。

特に、祖母の 母に対する仕打ちは酷かったです。

母は自分の身を守る事だけで精一杯で
私も、自分の身は自分で守るしかありませんでした。
どんなに恋しくても、母と一緒にいられない。

母が 祖母達に殺される。毎日その恐怖だけ。

夜 寝る時も、布団の中で泣いていました。

そんな事を思い出すと、怒りもありません。

認知症を取り巻く人も大変ですが、
親として見ると 少し考え方も変わるのではないかと
思います。