私の大事な物は、娘にとってはゴミ。
私がゴミと思った物が、娘には大事な物。

この食い違いは、どうしようもありません。

ゴミを仕分けしていたら、本棚の奥に
私が大切にしている、何冊かのうちの
一冊の本が出てきました。

筆者は、私の母親の従兄弟です。
母が生まれる前に、島へ行かれました。

筆者のお母さんは、母の叔母さんです。
生前、母の実家で会う事がありましたが、
いつも陽気なおばあさんで、
野良仕事ばかりしていた人でした。
「わしは百姓しか知らん。姉さんは
お嬢さんだったけど、わしは阿呆で、
土ばっかりいじっとる。」と 笑い飛ばして
いました。
とにかく よく喋り笑うおばあさんでした。

しかし、息子である筆者の事は
一切聞いた事がありません。

他の大人達からも 聞いた事がありません。

おばあさんは、筆者の加賀田さんが生まれて
すぐに ご主人を亡くします。
そして子供を連れて実家へ戻りました。

何年かして、加賀田さんを置いて再婚します。

実家の大人が、幼い加賀田さんと遊び
気付かせない作戦をとったようです。
遊んでいるスキに、おばあさんは
家を出て行きました。

そして加賀田さんは、母の実家で
おじさん夫婦(私のおじいさん夫婦)に
育てられます。

そして 大阪へ行き
ハンセン病にかかりました。

そんな過去があり、島へ行く前日には
実家で会い、一晩布団を並べて寝たそうです。

その時の、おばあさんの言葉
親子の覚悟が、ずっしりと感じられました。

泣かずにはいられなかっただろうし
どれほど辛かったか。

あの陽気なおばあさんは、本当は
何を秘めていたのか、想像も及びません。

加賀田さんは、とても頭の良い人だったそうで
息子として育てたおじいさん(加賀田さんとは認識の
違いはあります)は、

「一(はじめ)が いてくれたらなぁ。」
と口癖のように言っていたそうです。

私は 一度だけ
加賀田さんに会った事があります。
ご夫婦揃って ニコニコして
「今の若い人はすごい。」と
開口一番に言われました。

自由で、文明の利器を作り出し、
使いこなしていると 言われました。
そして、
これから 時代を作り出してほしいと。

そして、加賀田さんが書かれた本を
貰いました。

瀬戸大橋の建設に尽力されたのを
知っていたので、その事を聞くと

あの時は大変だった。もうダメかと思ったと。

それを置いても、今の人はすごいよー。と
言われました。

それは、羨望とか嫌味ではなく
本心から 私達の世代を尊敬していると
言われました。

自身の経験を悲観するでもなく。

昔は、大人の言う事が全てだった。
情報がない時代。

だからといって、現代でも
わからない事だらけです。
開示されている情報が全てではないし

新しい出来事があれば、何が真実か
原因は?対処法は? 検証されていない事

それらは、やはり
人の言う事が全てになってしまう。

昔だろうが今だろうが、根本は同じです。

極端に言えば
妖精だって実在してしまう事にもなります。

わかりきった、あまりにバカげた事なら
本気にはしませんが
新型コロナのようなものになれば
何を言っても、それが真実と
捉えられてしまう方が多い。

本質を見極めろと 簡単に言っても
不可能だと思います。

無知な政治家。私のレベルでとは言いません。

国を治めるに値する見識を
どれほどの人が持ち合わせているか

昔も今も 変わりません。

いらないモノ
大事なモノ

取捨択一 誤れば 人生まで影響します。