夕方、食事の準備をし
母を呼びに部屋へ行くと
よく寝ているようで

また夜起きてゴソゴソとするのか💢

と思いながら起こすと

ん❓ 寝とった。
ごめんよ。 よぉ寝て。ごめんよ。

と言ってました。

食事中に話しをしますが
寝ている時 夢を見たと言い出し

「清野さんが夢に出てきた。」
と おもむろに話し始めました。

母の実のお母さん
母が小さい時亡くなったので
顔も何も知らないお母さん

写真を1枚だけ持っています。
母方の祖父が亡くなったあと
母の身内の人から
もらったようでした。

清野さんは 夢の中で
「よかったなぁ。よかったなぁ。」
(たぶん私と暮らしている事を)と言い

「悪かったなぁ。悪かった。
でも、どうにも生きておれんかった。」

と、自殺してしまった事を
詫びていたと。

そして、夢の中で
本当のお母さんに会えた母は

「お母さん。」と呼びながら
泣いていたそうです。

そう言って、食事中も泣いていました。
しばらくの間、涙を拭いたり
鼻をすすったり
なかなか止まりませんでした。

子供の頃から
母が恋しかったのは よくわかります。

いくら年をとっても
やっぱり母親は恋しい人なんだと
思いました。

昔、母の実家へ行った時
近所のおばあさんが
実のお母さんの話しをしてくれましたが

とても穏やかで、人の事を悪く言う人ではないし
仕事をすれば 手早くはないが
やり直しをすることのない
丁寧な きれいな仕事をしていた。

そりゃあ苦労していたし
誰もかばってくれないし
もう、どうにもならなかったんだろう。

誰が小さい子供を置いて
死にたいもんか。

と 話してくれました。

自殺したおばあさんも
きっと辛く悲しい思いをしたはず。

残された私の母とその兄弟も
悲しい思いと苦労をして

みんながどんどん不幸になっていった。

母の兄弟の中で 幸せだった人は
いたんだろうか。

叔母は 何もいい事がなかったと
いつも言っていて
最期は あっけなく 亡くなってしまったし

叔父が寝たきりになった時は
実の息子達が

一切世話はしない
死んでも引き取らない と言い

結局 私達に押しつけてきた。
私より10歳も年上の人達。
親を見捨てるなんて。

母親という存在を亡くすと
家は崩壊するんだ と
しみじみ思いました。

認知症になっても
母親を恋しく思う気持ち
恋しくて泣いてしまう感情

それは
母自身の気持ちが
落ち込んでいく働きを
してしまうのではないかと
心配もします。

母が恋しい気持ちは
私も同じなのです。