今日のテーマは
『上方落語巡礼記』
今回紹介する上方落語に縁の地は。
「今宮」
大阪の今宮の戎(えびす)さんは、商売人の神様と言われます。
えびすという字を、夷狄(いてき)の夷とも書くから、外国人の意味。外来の神様とも言われています。
しかし七福神の中で、戎三郎という名前まであるのですから、戎さんだけが国産との説も成り立ちますよね〜。🤔
。。。。。。
『恵比寿小判』
源さん
「へッ、こんにちわ」
ご隠居
『おぉ、誰かと思たら源さんじゃないかい。
これッ、人さんの家へ入って来んのに、被りもんをして失敬な、被りもんを取らんかい』
「ヘヘッ、被りもんは取れんのじゃ。 」
『そら何でや?』
「これには、ちょっと事情があんのじゃ……、あんた”信あれば徳あり”言ぅてなはったな」
『そぉそぉ、それはわたしゃ重々言ぅてる。
それがどぉしたんや? 』
「長町の毘沙門さんへさして毎日「福くれ」っちゅうて、わたしゃお参りしてましたんですわ。
ちょ~ど一週間目にお扉が開きましてな、毘沙門さん、それへお出ましになりました」
『徳が出たか? 』
「何の徳なことありますかいな。毘沙門さんのおっしゃるには……
”お前、毎日わしのうちへ福くれちゅうて来てくれてやけども、お前に福あげるくらいなら、わしゃこんな大きな賽銭箱出しとかん”
ちゅうんだ !
”この内ちぃと分けてもらえまへんか?”
ちゅうと
”わしに分けてくれ、ちゅう手間で、お前が貴重なる時間を無駄に費やすだけでも働いてやったら、お金ができよやないか”
と、毘沙門さんがおっしゃるんで……。
そこでわたい、一本入れたったんだ」
『なんと?』
「”精を出して、金儲けがよほどなれば、何のおのれを頼むもんかい、毘沙の鼻たれが!”
ちゅうて戻ってきたったんだ」
『まぁ無茶苦茶言ぅてやったなぁ…… 』
「それから、木津の大国さんへさしてお参りしとりましたらな、甲子(きのえね)の日ぃで、灯芯が売ってますねん。
こないな細い軽い商いしてるとこはダメや思て、そっから今宮の戎(えべっ)さんのとこへさして肩変えたんだ 」
『神さん頼むのに、肩ばっかり変えてどないすんねん。で、どないした? 』
「七日目ほどにお扉が開きまして、戎(えびす)さん、冠装束でお出ましになりましてな
”今日(こんにち)ただいま、お前に福を与えてあげる。お手をお出し”
と物柔らかにおっしゃったんで、わて両の手出しました」
『ほぉほぉ』
「したら、手の平へさして小判一枚ずつ乗せてくれはったんです」
『そらえぇがな。 』
「それがちょっともえぇことないのんで」
『なんでや?』
「いただきしなにフッと疑念が生じたんですわ。
戎さんの金をもろたところでこら戎金(えべすがね)や、世間通れへんがな、仕方がないがな……」
『ようそんなこと!神様疑うんやないがな 』
「疑ごぉてしも〜たんですがな。
その拍子にピタッとデボチンに小判が張り付いてしもた、肉着きじゃ、どないしても取れまへんのじゃ。」
『どれ手拭い取ってみ……、ほぉ、小判も小判も慶長の小判、結構な小判やがな。
今日日(きょ~び)十斗米からになんねで。
神罰てもんは恐ろしぃもんじゃ』
「どないぞして取れまへんか? 」
『どぉしても取れんか?』
「肉着きでどぉしてもこぉしても取れませんが、どないぞ取る工夫おませんか?」
『そぉじゃなぁ、二枚は取れんけど、一枚だけ
なら取れる……』
「一枚だけでも取れたら結構でやす。どないしたら取れまっしゃろ? 」
『鼻の上へ、桂馬打て。』
。。。。。。。
えぇ〜( ᴖ ·̫ ᴖ )いかがでしょうか
「桂馬」は将棋の駒ですね(*^^*)
桂馬は前へ2マス、横へ1マス、傾斜移動できる駒ですが、右か左のどちらかにしか飛べません。( ᴖ ·̫ ᴖ )
「桂馬の高飛び歩の餌食」などと言います。
鼻の頭に打って、おでこの小判をとるというサゲです。(笑)
今宮の戎(えべっ)さん(今宮戎神社)
毎年1 月9日~11日の「十日戎(えべっさん)」には交通規制が敷かれる人出があって「商売繁盛笹持って来い!」の声が響きます
(ノ˶>ᗜ<˵)ノ🎋ササモッテコイ!
戎金(えびすがね)とは笹に付ける飾りの紙でできた小判です。
しかし、この三日以外は閑散として人の気配が無い不思議な神社なんですよね〜(笑)
毘沙門天に悪口言うて、大黒天は頼りない。
頼りの戎さんを疑ってバチが当たりましたね!
ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ◍)ゲラゲラ
ではまた次のブログでお会いします🐝))