こんにちは、ご訪問頂き有難うございます(^-^)

まずはタイトルコール!

上方落語『笑うてなんぼ』

 

 落語にはさまざまな知識や感性によって楽しめるように、いく層もの面白さが仕掛けられていることがあります。

こういったポイントをご紹介出来たらと思います。

今日は

『東の旅 〜うんつく酒

ドうんつく』

先日から、東の旅を紹介しています。

煮売屋に立寄って煮売屋の店主とやり合います。腹いせにイカの木の芽和えを持ち逃げしバチが当たったのか七度狐に騙されます(笑)

『うんつく酒』では清八の機転で命拾いを致します。


『うんつく酒』を紹介しました。

面白い話です(=^▽^=)


『どうんつく』を説明するくだりがあります。

あまりに長いので💦、纏めて紹介しました。

今日はその口上の全てを紹介します。


しかし落語家さんは、それでなくても長い話なのに、さらに長い噺を覚えなければなりません。(-ω-;)ウーン

清八が落語の寄席で聞いた噺だと言ってますが、喜六が落語家が賢いというのも頷けます。

まるで講談がすっぽりハマっているようです。

(っ'ヮ'c)


。。。。。。。


『怖おぉて言ぃ訳すんねやないねやさかい「聞かしてくれ」とぬかすさかい聞かしたら。

聞きさらせ!

親爺、われの後ろの紙に書いて張ったぁるもん何や?』


「これは日本の長者番付じゃ」


『長者番付? そんなことぬかすさかいことが間違うわい。

こんなとこでは長者番付と言ぅか知らんが、大阪ではそぉは言わんねん「うんつく番付」ちゅうねん、それをば』


「何じゃ?「うんつく番付ぇ」おのれ、苦しさに余ってしょ~もないこと。」


『誰が苦しさに余ってしょ~もないこと言ぅねん、怖おぉて言ぃ訳すんねやないわい、聞かしてくれとぬかすさかい聞かしたんのじゃ。

東と西とに分けたぁるが、東のほぉの大関が三井八郎右衛門、西の大関は大阪の鴻池善右衛門やろ』


「よぉ知ってんなぁ」


『そんなこと知らいで「ドうんつく」の因縁が説けるか。東の三井さんを聞かしたら……。』


(ここから清八の独演です!)

『三井さんといぅ人はな、今でこそ長者番付の東の大関に座るよぉな人やが、その人の先祖といぅのがなぁ、越後の国の浪人じゃ、六部となって日本回国した。

回りまわって出てきたんが伊勢の松阪

松阪へ入った時分にはもぉずんぶりと日は暮れ、自分らが泊まるよぉな安宿は一軒もなし、ある大家を見込んで

「今晩一晩お宿のご無心を」


そこの主が「いつもでしたら宿はさしていただきますが、ここ四、五日のあいだはどぉも与太人さんをお泊めすることがでけん、取り込みがあるのでな。

こぉしたらどぉじゃ、この町外れに大きな古い家がある、そこが空家じゃ。空家じゃによって人は住んでない、そこで二日泊まろが三日泊まろがお前さんの随意、食べもんはわしのほぉから送ってあげる。そぉしたらどぉじゃ?」


「あぁ結構なこって、お願いしたい」


「それから六部さん言ぅとくがな、そのうちは化け物が出るといぅて人が怖がってよぉ住まんのじゃ。お前さん、化けもんが出ても構わんかい?」


「いやどぉいたしまして、わたしは六十六部となって日本回国するぐらいの人間、化け物が怖おぉてどぉしましょ。そんなことを聞きましたらなおさらのこと、どぉぞはばかりながらご案内を」


「よし、その度胸なら……」


と、食べ物をこしらえてもろぉて大勢の若いやつが風呂敷包みにして六部をそこへ案内した。表まで来ると、もぉ若いやつら這ぉ這ぉ(ほぉほぉ)の体じゃ


「六部さん、内らへ入ることはよぉせんでな、さぁ、これでゆっくり」


六部が風呂敷包み下げて庭へ入ると、庭には草がボォボォと生えたぁる。座敷へ上がる、床が腐って踏み抜くばかり、あたりの壁は破れ果てて何ともいえん妙な臭い


「なるほど、こら化け物が出るかも分からんわい」


と、腹ごしらえを十分にして一服してると、宵のうちは何事もないねん。

「ん~ん、出そぉなもんじゃ」と思ぉて、昼のくたぶれでウツウツッとしかけると、六部の前へ火の玉がボッ「あッ、出よった。これか」火の玉を見てると、六部のぐるりをグルグル・グルグルグルと舞いかけた。

段々その舞い方が早よなって、遂には裏口へスパ~ッとその火の玉が出た。

六部もあとから出ると、裏に大きな井戸がある。井戸の中へ火の玉がス~ッ……


「この井戸にいわくがあるわい」と井戸を眺めると、東がス~ッと白んできた。

大勢の若いもんが


「やぁ気の毒に、夕べの六部さんはもぉ冷とぉなってるじゃろぉ」


と見ると、悠々と煙草吸ぅてる


「お六さん、変わったことありませなんだか?」


「いや、こぉこぉこぉいぅわけじゃ。あの井戸が怪しぃ、井戸替えをしてもらいたい」


「どぉいたしまして。庭へひと足入っても祟りがあるといぅ怖いうち、井戸替えなんかできません」


「いや大丈夫、わたくしが井戸の底へ入ります」


と、六部が井戸の底へ入って井戸替えをした。


出てきたんが金じゃ、しかもその金が三千両。つまり、金の精が人に見てもらいとぉて火の玉となって出よったが、怖がって誰もよぉそれを見届けなんだ。


「こらぁ結構なことじゃ」

と、その金をそのまま懐へ入れる人とは違う、役所へ届けたが、役人が困った


「受け取る人がない、持ち主のない金、これは天から六部に授かったものじゃ」


と、ポ~ンとお下げ渡し、三千両の分限者となったなぁ。


「こんな金がありながら六部するに至らん」と、松阪でひと商売が呉服屋じゃ。

その呉服屋がドンドン・ドンドン・ドンドン・ドンドンと出世をしたんじゃ。

なぁ親爺ここやで……


金を貯めたい、金が大事やといぅので食ぅもんもよぉ食わんと始末をして、落語ひとつよぉ聞きに行かんと、わずかな金を積み上げたヤツは小金はできるか知らんが大金はでけんなぁ。


大金をしょ~と思たら運が付かなんだらできんぞ。


松阪へその先祖が入ったのが運の付きはじめ、化け物が出るうち承知で泊まった、運に運が付いた。

井戸替えをした、三千両の金上がった、運に運に運が付いたんじゃ!


呉服屋してバッタリとへたったらそれまでやが、ドンドン・ドンドン・ドンドン繁盛した、運に運に運に運が付いたさかいに日本一の長者となったんじゃ……。


それで大阪では三井のことを長者とか金持ちとか言わんねん「ド運付く」とこぉ言ぅのじゃ。嘘やと思うな、三井のしるし「井桁」の中に「三」の字が書いたぁるなぁ、井戸の底から三千両の金が上がって、それが元手であれだけの長者になったので「井桁に三」が三井のしるしじゃ、分かったか!!……』

。。。。。。

一席聞いた気分になりますね(笑)
まぁここが聞かせどころかもしれません💦‬

ちなみにですが
三井八郎右衛門は「三越」の創業者です。
三井越後守高安の子、則兵衛高俊のとき松阪で質屋・酒屋を始めました。




江戸へ出て呉服店越後屋を開業「現金安売無掛値」の革新商法で成功し、同時に両替店を創設しました。

三井(六部)から「井戸替えをしてもらいたい」という言葉が出てきます。
現在では7月7日は七夕の日として知られていますが、旧暦7月7日は江戸市中ではもう1つの大切な仕事がありました。

「井戸替え(いどがえ)」です。

夏に疫病が流行するのを防ぐため、この時期に井戸の中の掃除をしました。
井戸浚え(いどさらえ)、晒井戸(さらしいど)とも呼ばれ、『つるつる』という落語にも登場します。

井戸の中に火の玉が入っていったのを見て井戸の中に何かあると六部は考え、井戸の中を探るために井戸替えを要望しました。

井戸の水をすべて出して井戸職人が中を掃除するのですが、深い井戸の中に入っての作業は時に危険を伴ったそうです。

一方、水を汲む時に井戸に落としてしまった髪飾りなども見つかるので、その日を楽しみにしていた女性もいたそうです。

笑うてなんぼです。♪(^ー^)ノ

 

 

 

 

ではまた次のブログでお会いします。