前回詠んだ「忠臣蔵」にちなんだ都都逸一題。
浅野内匠頭のお墓がある泉岳寺を詠みこんでみましたが、そこからそれほど遠くない場所にある東京タワー。
12月23日は「東京タワーの日」なんですね。それにちなんでの一首、Rさんに続けて望まれて。
高台に 建てる母校の 窓辺から 東京タワーの 灯りが見えて
小学校・中学校・高校ともに私の母校は川崎市内・多摩丘陵の高台の上に建てられていて。
特に中学校からの景色が秀逸でした。日の短い冬には放課後、部室からあかりの灯る東京タワーがきらめいてみえていたこと、今でも懐かしく思い出されます。
さて本題に戻って「一年を 短歌・都都逸 振り返り」
今回は「大山」をテーマにしてみました。
元旦に 風強ければ 大山の 峰美しく そびえ立つかも
元日朝、起きぬけに自宅近くの冬田から大山望んでの一首。
北風の 肌さすような 冷たさで。
早々に退散して、すぐに部屋へ戻って熱燗一杯となりました(笑)
大山に かぶさるように あかね雲 北風強く 押し流されて
一年で最も寒い「大寒」の頃。
大山上空に強い北風に流されてきたのでしょうか、ひとかたまりの大きな雲。ちょうど日暮れ時で茜色に染まってとても美しく。
しばらく時を忘れて見入っていた次第です。
少し趣きを変えてみて
湘南の 海岸線も 大山も ママチャリ乗れば わずかひと漕ぎ
ママチャリ使えば、自宅から平塚の海まで一時間強。大山こま参道までも坂を上り詰めて同程度。
かほど便利な 神奈川県の 真ん中あたり 厚木の地
と詠んではみたものの、やはり寄る年波には勝てませんね。とてもひと漕ぎとは思えなくなりました(苦笑)
伊勢原・厚木・平塚地域は各地から集まってくる「大山古道」が縦横に張り巡らされているような趣きでして。
大山道の 道脇みれば あちらこちらに 不動尊
両の手に つるぎと縄を携えて 人びと救う 不動明王
大山参りの目的の地「大山寺」。
お寺のご本尊が「不動明王」さまということもあり、要所要所にお不動さまをお見掛けします。
お不動さまばかりではなく、阿弥陀如来さま、大日如来さま、地蔵菩薩さまなど数多くの石仏さまが鎮座されていて。
大山古道 自転車乗って 目礼かわす 石仏
お姿見かけるたびに目礼をする習慣がついてしまいました。
本来であれば、そのたびごとにママチャリから降りて手を合わさなければいけないところでしょうけれど。
私にとって大山は、半世紀以上も近く寄り添う「ふるさとの山」
啄木さんの歌ではありませんが
『ふるさとの 山に向ひて いふことなし ふるさとの山は ありがたきかな』
感謝しても感謝しつくせない存在、ということなのかもしれません。
次回は今年最後のブログ更新日。
テーマを変えて、一年を短歌・都都逸で振り返ります。





