私事で恐縮ですが、GWに観光で南アフリカ共和国に渡航。その後、ザンビア、ジンバブエにも足を伸ばすなど、2週間程身分不相応な旅行を楽しみました。そして、先週月曜日、幼少期から煩っていた左眼白内障を手術。難手術でした...

 

 そんなドタバタで、ブログ更新が後手後手になってしまいました(^^;)

 

 ですが、手術から1週間が経過。左眼の容態がようやく落ち着いてきた現段階で、少しずつ会務を整えて参ります。今回の投稿は再スタートの第一歩です♪

 

 さて、先月16日(日)、当会は予定通り、榛名山麓のデ・レイケ堰堤を巡るトレッキング(第2回榛名デ・レイケ日帰りトレッキング2024)を開催。参加者は計16名。自害沢川に現存するデ・レイケ堰堤を計4基見学しました。

 

 当日8時45分、榛東村役場正面駐車場に集合。まず向かったのは、自害沢川に現存する8基のうち、下流側から数えて2番目に築かれた自害沢9号堰堤。当地には4年前に吉岡町のご厚意で建てて頂いた説明板「榛名山麓における明治期の砂防遺産 デ・レイケ堰堤」があり、数台分の駐車スペースも設けられています。

 

 デ・レイケ堰堤の説明板⑴ 
自害沢9号堰堤の右岸高位に建てて頂きました(感謝)。
 

 デ・レイケ堰堤の説明板⑵

文面の作成は、僭越ながら、当会を代表して小生が担当。堰堤の図面の作成につきましては、土木技師の資格をもつ会員に助けて頂きました(感謝)。
 
 令和元年、偶然再発見された自害沢9号堰堤の保全を巡り、当会は総力戦を展開。思い切り手前味噌ですが、当時の様子が地元紙(上毛新聞)の紙面を賑わせました。
 
 上毛新聞に掲載された当会の活動⑴
令和元年春。当地は深く暗い森の中でしたが、当会有志で懸命に河床の土砂を除去。堰堤天端の石張りがより詳しく見えてきました。以下、4枚とも保全対象は自害沢9号堰堤です。
 
 上毛新聞に掲載された当会の活動⑵
令和元年夏。有志で何度も現地に出動して堆砂や雑木・雑草を取り除き、9号堰堤の天端の石張りを露出させました。なお、知人のオランダ人の助言に従い、当堰堤の表記を「デ・レーケ堰堤」から「デ・レイケ堰堤」に変更したのはこの時期です。
 
 上毛新聞に掲載された当会の活動⑶
令和元年秋。次はクリーン作戦を展開。数日にわたる懸命の活動が奏功し、9号堰堤の天端の石張りがほぼ完全な姿で現れました。
 
 上毛新聞に掲載された当会の活動⑷
令和元年晩秋。9号堰堤は当地ですでに進行していた林道工事の進捗を大きく左右。林道の設計変更を経て、最終的には埋め戻すことになりましたが、その直前に吉岡町が試掘調査を実施(小生立ち会い)。堤体の全容が判明しました。改めて
吉岡町長のご英断に感謝申し上げます。
 
 前置きがだいぶ長くなりましたが、今回のトレッキングの概容を以下の通り、当日副代表が撮影した写真で紹介させて頂きます。

 

 自害沢9号堰堤
 説明板の真下に所在。天端の石張りの目地に草木の根がぎっしりと食い込み、外観は今ひとつ。ですが、往時はほぼ全て堆砂に埋もれていたことを想像しながらご覧頂ければ幸いです。流心部の石張りが4つ程度辛うじて地上に露出している程度でした。

 

 自害沢川の河床を遡行中
ご覧の通り、平時は水流がみられません。木陰に恵まれ、9号堰堤からさらに上流側の8号堰堤、そして7号堰堤を目指しました。なお、事前に伐木・除草を行い、当イベントに備えました。
 
 自害沢8号堰堤⑴
 堤体の規模は古文献上、高さ2.2m、長さ6.5m、幅2.3m。なお、堤体は半分程土砂で埋没しています。
 
image
 自害沢8号堰堤⑵
 堤体天端の幅は3.5m。もちろん、何人乗っても大丈夫。びくともしません。
 
 
 自害沢8号堰堤⑶
上流から運ばれ、天端の上で停止した巨石。豪雨時の自害沢川はとてつもないエネルギーを発散します。なお、小生が握るゴルフクラブ(4番アイアン)は、万が一クマさんにばったり遭遇した際の応戦・撃退用の武器です。なお、至近の船尾滝付近でクマ出没の情報が入っていました。
 
 さらに上流側の7号堰堤で参加者全員集合の記念写真を撮影♪ なかには横浜から早暁車で出発し、当イベントに駆け付けて頂いた方も!改めて、ご参加頂いた皆様に感謝申し上げますm(_ _)m
 
 
 自害沢7号堰堤
 堤体の規模は古文献上、1.8m、長さ7.5m、幅3.6m。なお、当会が整美する以前は、当堰堤も藪の中。歩くことすら困難な場所でした。
 
 7号堰堤を見学した後、入渓口に当たる9号堰堤までUターン。時刻は11時をとっくに過ぎていましたが、次に当川に現存する4号・5号堰堤をスルーして3号堰堤へ。
 
 入渓口は県道水沢・足門線と同川の交点。当地も予め当会有志にご厚意を賜り、同堰堤までのアクセス条件を整えるため、入念に草刈りをして頂きました。本来であれば、苦難の藪漕ぎ。結果傷だらけの無謀な山行です(^^;)
 
 自害沢川上流部の「土砂災害警戒区域」標示板
 設置者は群馬県渋川土木事務所。こちらも来訪者に対し、自害沢川の危険性を説明させて頂く際、教材としてとても役立ちました(感謝)。

 

 自害沢川3号堰堤
 堰堤の規模は高さ4.5m、幅18.2m。自害沢川の支流である文字野沢に所在。榛名山麓に現存するデ・レイケ堰堤42基のうち、屈指の規模を誇ります。素敵な記念写真が撮れたでしょうか?
 
 途中、話が脱線し、自害沢川にまつわる地域伝承として知られる千葉常将伝説をご紹介。なお、地名「自害沢」は、名門武将平氏の系譜を引く千葉常将本人とその一族・郎党が自害して果てた場所とされています。
 
 3号堰堤から県道に戻り、当日の予定は全て修了。そして現地解散。時刻は12時を少々オーバーしてしまいましたが、幸いにも怪我や熱中症でダウンした方は皆無。クマさんも現れませんでした。
 
 今回は以上です。次回のトレッキングは11月23日開催の当会勉強会の午後の部で実施する予定です。場所は栗の木沢12号堰堤を予定しています。当日の模様次第で、さらに上流側の同19号堰堤を訪ねることができるかも?
 
 最後までご笑読頂き、ありがとうございました。点眼しながら何とか記事を書き上げることが出来ました(^_^)v
 
 さて、猛暑の折、当会は表向き休止状態。ですが、実は栗の木沢12号堰堤の文化財登録に向け、内々では極めて重要な活動を展開中。差し当たり、小生は当会数年来の悲願達成に向け、自力戦はもちろん、他力戦でも、自在戦でも、何でもやります!
 
 Show disaster prevention  by actions!
 防災を行動に!
 
 榛名山麓のデ・レイケ堰堤を見守る会
       代表 大林和彦拝