Photographer 有賀幹夫さん

ストーンズ



先日、FM東京、いや、スミマセン😅、

Tokyo fm稲垣吾郎さんパーソナリティー「THE TRAD」に、フォトグラファーの有賀幹夫さんがゲスト出演されました。

 





有賀さんは、ザ・ローリング・ストーンズ初来日からオフィシャル・フォトグラファーを務めていた方です。


その前は、RCサクセションの、やはりオフィシャル・フォトグラファーを務めており、

日比谷野音での名ライブ「the TEARS OF a CROWN」での作品などが代表作です。



その有賀さん、多くの写真が3月6日発売となった、RCサクセションのコンピレーションアルバム「ロックン・ロール」のブックレット写真に提供されているのですが、番組では、清志郎との貴重な思い出話をしてくださいました。

 


その中で大変興味深かったのは、ストーンズの

START ME UP」と、RCサクセションの

雨上がりの夜空に」にまつわるお話です。

 



START ME UP



START ME UPって、リリースが1981年です。


ストーンズはデビュー以降ずっとスーパースターですが、70年代後半は、パンクムーブメントが世界を席巻、ストーンズより更にワルで低所得労働者を代弁するかのバンドが台頭しており、ストーンズは、ブルジョワロックのおっさん扱いを受けてしまう場面も出てきました。



また、キース・リチャーズはヘロインで何度も逮捕され、ミック・ジャガーとの関係がかなり深刻に悪化していた時期です。



MISS YOU や、ディスコサウンドを意識した

EMOTIONAL RESCUEなどセールス的には成功していましたが、バンドとしての将来性に陰りを感じざるを得ない時期でした。

 

そんな気分を一掃するかのように、あのイントロではじまる、心躍らされるようなストーンズの真骨頂、ブルース・ロック・ナンバーの傑作、

START ME UP、大ヒットしましたね。



多くのパンク勢は歴史的な役割を終え、ストーンズは、「やっぱりホンモノはカッコいい」という気分にも押されたような気がします。

 

それに、タイトルがいいじゃないですか、START ME UPなんて!



ストーンズも大変だったけど、今まさに

RE-STARTを高らかに宣言した曲、と受け止めた人が多かったんじゃないかな。80年代という新しい時代にも一致したような。

 






ダブルミーニングの手法



さて、実はこの曲、RE-STARTうんぬんとは全く関係なく(笑)、有賀さん曰く女性を車に比喩して歌っている曲とのことです。


だったら、そういった歌を歌ったのは、RCサクセションの「雨上がりの夜空に」の方が早いということになり(1979年にはライブで演奏しています)、RCって、ストーンズよりも先駆けていて、スゴイんじゃないか、というのが有賀さんの説でした!


 

START ME UP の歌詞を検証してみると、


 🎵 ride in a mean, mean machine 

Start it up

 下品なマシンに乗れよ、動き出そうぜ!


🎵If you start it up 

Kick on the starter give it all you got

思いきりエンジンかけろ


 🎵She's a mean, mean machine 

Start it up

彼女は下品なマシンさ、動かそうぜ



イメージとしては、マシンは男性のようでもあり女性のようでもありますねぇ。バイクのようでもあります。


いずれにしても男女の行為を想起させる歌詞であることは間違いなさそうです。うーん、やっぱりその不良性に、バツグンのカッコ良さがありますね。




一方の雨上がりですが、こちらは日本語なので明確です😅。車を女性に比喩していますね。


しかも、START ME UPより、


🎵ジンライムのようなお月様

や、

🎵雲の切れ間に散りばめたダイヤモンド

や、

🎵雨上がりの夜空に吹く風が

だったり、


乱暴なんだけど、ロマンチストかよ!といったギャップ萌えがあるところが違うんですよね。




MicrosoftとApple



ところでSTART ME UP、あの有名なCMにも使われました。Windows95です。




いや〜、このCM、もう、時代を全部持っていったようなインパクトがありましたよね。

Start me upって歌詞がまさにピッタリハマったし、

スタートボタンを押せば素晴らしい未来が開けるように、マジ、思いましたから!


私もこれ以来、ずっとMicrosoft、お世話になってます。


ただ、その何年後か、節操もなく今度はMicrosoftの宿命のライバル会社、AppleのiMacに、ストーンズの

She’s a rainbowが使われます。




こんなところもストーンズらしい、っちゃあらしいですよね、「金くれんなら使ってもいいぜ、俺たちには関係ないことだぜ」ってね。




でも、トランプ前大統領が、選挙活動でStart me upを勝手に使った時、曲の使用停止を毅然として申し入れたそうですから、その辺はビジネス的にしっかりしてるとも思いますね。


さて、有賀さんの清志郎とRCの写真展が、今年も渋谷で開催されるそうです。昨年行きそびれてしまったので、今年は必ず行こうと思っています。



以上です。