以前このブログで、カンサスを紹介したのですが、同じようにプログレ系ハードロックでくすぶっていたけど80年前後に商業的にも成功し大ブレイクしたバンドが、スティクスです。
アルバム的には「コーナーストーン」、「パラダイスシアター」、「ミスターロボット」の頃が最盛期だったかな。「ベイブ」は全米1位を獲得しています。
そのスティクスで、私が好きなのは、とても地味なのですがシングルにもなった「ボート・オン・ザ・リバー」です。アコースティックな名曲で、マイナー調の寂しい感じが日本人の気質にあうのかな、いいなーと思いましたね。
この曲、カンサスの「DUST IN THE WIND」に雰囲気が似ているようにも思います。歌ってる内容も、
♪Take me back to my boat on the river I need to go down I need to come down Take me back to my boat on the river And I won't cry out any more♪
♪川に浮かぶ私のボートに私を戻して!降りて行かなきゃならないし、そうすればもう泣かない。。♪
なんか、内面的なことを川とボートに暗喩しているのかな?
サンドウィッチマンの富澤さんならきっと、「ちょっと何言ってるかよくわからない!」と言うとおもうのだけど(笑)。でも、特に詩の内容を分析して意味することを解明しようという気持ちはさらさらなく、受け止めた印象を大事にするしかないのですが、なんか、米国的無常観が背景にあるんじゃないかとも思うのです。また、寂しげなメロディがそう思わせるのかな。
そして川は大海に向かって滔滔と流れているわけで、ボートも必然的に流されていくわけです。哲学っぽい印象もありますね。
似たような言葉を含む曲に、ブルース・スプリングスティーンの「THE RIVER」があります。
こちらはこちらで、
♪We'd go down to the river And into the river we'd dive Oh, down to the river we'd ride♪
川に降りて、飛び込んで、浮かんで。決して楽ではなく重荷を背負った新婚の若者の暮らしの中の1シーンを切りとった感じがよく伝わり、リアルが迫ってくる詩なんです。
二つの曲は、同じように川に降りていく歌なのだけど、随分違いがあるようで、面白いです。
やはりスティクスは、パラダイスシアターやミスターロボットのような架空の世界に聞く人をいざなう、そういったタイプのバンドなのかな。
話は変わるのですが、ミスターロボット、日本でも大ヒットしました。その頃は、まだ日本が
Japan as NO.1 などともてはやされていたし、特に製造業のロボット化を含めた生産技術ではずば抜けた存在だったし、半導体もアメリカに妬まれ意地悪されるくらいのジャイアントぶりでした。
だからなのか、歌詞にも日本語が使われています。
♪ ドモアリガット ミスターロボット、マタアウヒマデ ドモアリガット ミスターロボット イツノヒニカ♪
でも、これってなかなかすごくないですか?
私がこの曲を「3大日本語の世界的大ヒット曲」の一つに認定したいと思いました。
あとの2曲は、
クイーンの「手をとりあって」・・・左程ヒットした印象はなく、ちょっと苦しいか(笑)
そして、坂本九の「上を向いて歩こう」・・・これは文句なしでしょう!
以上です。