中学生の頃、女子の間ではベイ・シティ・ローラーズが大人気でしたが、それはアイドルとしての人気が先行していて、多くの男性洋楽ファンからは全くロックバンドとして相手にされていませんでした。クイーンもどちらかというとそれに近い立ち位置にいましたが、ローラーズに比べれば音楽性の高さは圧倒的なので、まあ、あまり目立ちませんでしたが、隠れ男性クイーンファンもそこそこいたんじゃないかな。私もそうでした(笑)。

 

では、フツーの男性洋楽ロックのファンが大手を振って「カッコいいよな!」「イカしたロックだぜ」「好きだ〜」と公言できて、さらに洋楽を聞いているという誇りを示すことができ、しかもそれに対して多くの人から一定の理解を得ることができてあからさまに否定されないロックバンドといえば何があったかというと。。。

 

「KISS」だったんじゃないかな。勝手な地方の田舎在住の中坊の思い込みだったかもですが(笑)。

 

そんなKISS、私自身は特別ファンだったわけではないのですが、この曲は大好きでした。初めて聞いたときは、「えっ?これってKISSなの?」とびっくりしました。全然KISSらしくないじゃん!すごくいい曲です、

Hard  Luck Woman」です。

 

 

 

ドラマーのピーター・クリスのかすれ声のボーカルがすごくはまっているミディアムテンポのラブソングで、KeyはGというポップな名曲です。ポール・スタンレーも言ってるように、ロッド・スチュワートの「マギーメイ」に似た雰囲気があります。

 

サビのところを紹介すると、

 

♪You'll be a hard luck woman, Baby, till you find your man

 

♪君はついてない女になるな、君の本命が見つかるまではね。

 

 

といった感じじゃないかな。

 

この曲、最初はいかにもピーターが「俺だって曲が書けるし歌えるんだから、次回のシングルには採用して欲しいな」と主張した作品だと思いました。

そう、ビートルズで言うと、後期のジョージ的な(笑)。

 

でも実際はそうではなく、ポール(ポールと言ってもポール・スタンレーですハイ。)の作品なんですよね。

 

ですから、ビートルズに例えれば、ジョージというより、同じドラマーでもある、リンゴの歌ったシングル「イエローサブマリン」的な立ち位置の作品なのかもしれません。ちょっと違うか(笑)。

 

やはり、従来とガラッと違うイメージのキャッチ―なラブソングに、いつもはKISSに関心を示さない層も取り込むことで大ヒットした名曲だと思います。

 

少しズレるのですが、その数年後、サザンオールスターズが「いとしのエリー」を大ヒットさせたことが、自分の中では「Hard Luck Woman」と重なっています。サザンも当時は本質と違う色モノ的バンドに見られていた部分もありましたので。。以上です。