<こちらもなかなか良いお店でした>
さて2軒目は,Nさんによると、頑固なソムリエYさんがいるワインバーへ。
お店の名前は表示されていないビルの5階へ。
落ち着いた良い雰囲気です。
こちらでは4組までしかお客さんを入れないそうです。そして、知らないお客さんが来ると、空いていても「すみません、一杯です。」と。
予め、こういうお客さん達を連れていくと言って頂いてたこともあるのでしょうか、3本の刺客が待ち構えていました。
1976 Geverey Chambertin Clerge
1973 Charmes Chambertin Drouhin
1967Beaune les Avaux Thomas
頂いたのはこちらです。
勧められる時に、それぞれのワインの状態からニュアンスまでつぶさにお話ししていただけます。
それは全てのワインを飲んでいるからだそうです。
クレルジュは先代のワインで、これが村名とは思えない深みがると。
ドルーアンは、今の造りとは違ったエレガントさがあると。
そしてこのボーヌには、果実の甘みがしっかりとあって、時間と共に目覚めてくると。
ソムリエのYさん「うちはグラスワインはありません。ボトル注文です。そもそもワインを1杯で判断するようではダメです。特に古酒は開けて、目覚めて、時間と共に変化を楽しまないと。ですからボトル1本で多くても3人で飲んで欲しいですし、訳も分からない人には飲んで欲しくもありません。」
さてこのボーヌですが、まったり感とともに大量のタンニンが、でも熟して丸くこなれています。確かに果実味もしっかりとありますが、これまたしっかりと落ち着いた酸が背後にあり、飲み飽きません。
「師匠、早過ぎ~」と声がかかりますが、Yさん「理性よりも欲求のおもむくままに飲むのはいいですよ。」とフォローしてくれます。
Nさんそして弟子から「ヴォーヌ的な妖艶さがありますね!」と声が上がると
「どちらかと言うとニュイ・サン・ジョルジュ側のヴォーヌですね。でもわたしはコルトンを感じますよ。」
私が「温かみのある酸を感じる」と言うと
「冷涼なニュイの酸とは違いますよね」と楽しい会話がエンドレスに続きます。
私がルロワが好きだと言うと
こちらでは、ファーストリリース時のワインしか購入しないそうです。何故ならリコルク物は、足されているので本当の古酒ではないと。
左のメゾン物は、今とタイポの字体が違うのはファーストリリースだからだと。
右はボトルナンバー1のコルシャルです。(^o^)
そしてこちらはヴォギュエの1番、2番ボトル。
そしてこんなボトルまで。
1973です。
さらには1964のルネ・アンジェルまで。
ボトルナンバーは2700/2700!
最後にはどっさりと48年分の澱を脱ぎすてたワインは、鉄と土のニュアンスが出てきた力強くもエレガントなワインになり、グラスが空いても、いつまでも残り香を楽しんでいました。
素晴らしいお店をご紹介頂いて、ありがとうございました。