個人的に大変お世話になった方をお招きしての宴です。
ただNさんは異教のワインをお飲みになるとのことで、その手のワインを持っていない私は
異教のワインを密かにお持ちのangeさんにも同席をお願いしました。
場所は目黒川近くの「スゥリル」で。
初めはお店のグラスシャンパンで乾杯!
Daniel Dumont Grand Reserve Brut
シャルドネ40% ピノノワール40% ピノムニエ20%
黒ブドウの自然な甘みがアペリティフ使いにピッタリ!
こちらのアミューズをつまみます。
さて1本目は
Chablis Grand Crus Clos 1998 Raveneau
色合いは透明感のあるゴールド。粘性が高いですね。
香りは、、開いてます。飲むと酸とミネラル感がまだまだしっかりとしており、まだ時間がかかりそうです。1時間ほどでアカシアの蜜が感じ取れました。
2時間もするとクリーミーレモンの香味に変わります。
昨年飲んだ92のレクロの爆発感には程遠いものの、98の酸が弱いVTでこのストラクチャーを持っているラヴノーの偉大さを実感できました。
さて一品目は新玉ねぎと生雲丹のパルフェ2015
玉葱のアイスクリームが雲丹との味わいに面白味と驚きを与え、これからのコースに期待が膨らみます。
2本目は
Ornellaia 1999
カベルネ比率の高さを感じます。鉛筆を削った後に感じる黒鉛と杉の香りです。
サンテステーフかポーヤックのワインの様です。そしてスケール感は1級クラスのものです。
一年に1度くらいしか飲むことのない、この手のワインですが、ありがとうございましたangeさん。
お話によるとまだまだこの手のワインをセラーにキープされているとか。
何かの時にはどうぞよろしくお願いします。(笑)
うーん、やっぱり濃いな。(@ ̄Д ̄@;)
そして3本目は
La Tache 1995
妖艶としか表現のできないブーケがグラスから立ち上ります。
最初のうちはまだ十分に開いていないのでしょう、余韻は長く続くものの、まだ酸味とタンニンがアフターに残ります。
ボディーは意外に軽やかです。オルネライアを一口飲んだからかもしれませんが。
1時間ほどして熟したベリー系の甘みが香味に感じ取れるとともにスーボワのニュアンスも出てきました。
95はまだ飲み頃でないワインが多いですが、このラ・ターシュは飲み頃になりつつあるようです。
2時間もすると例のモヤモヤ感が強く感じます。78にあった爆発的なブーケには達していませんが、いい塩梅に香味のバランスが取れてきました。
何も食べ物が要らず、ワインだけで十分な気持ちにさせてくれます。
シェフにもお裾分けすると、目を閉じながらグラスを嗅いで一言。「エロっぽさを感じますね。」と仰いました。
本来のラターシュの持つ、爆発でもしそうな強烈なブーケとはいかないものの、スパイシーさを感じ始めており穏やかさのあるラターシェもまたいいものだと一同満足した顔でした。
熟成感の出てきたエッジ。
二品目は
蝦夷アワビのグリル フォワグラ、筍、田芹、トリュフを薫らせて
このフォワグラとアワビの食感の対比が面白く、そしてこの味わいが繊細なブルゴーニュの赤に合います。
三品目は
ふっくら蒸し上げた甘鯛 ズワイガニと蟹味噌のフラン、菜の花のクーリ
和のテイストが感じられるモダンなお料理ですね。
メインは
ブルターニュ産 仔牛の背肉のロースト アスパラガスと蕗の薹
これがホワイトアスパラと仔牛の白身のお肉がワインの繊細さを引き立たせてくれます。
周りに蕗の薹のパウダーの様なものが味付けにアクセントを与えてくれます。
多分白のブルゴーニュとも合うでしょう。
デザートは
私は「おかとまと」のミルフィーユ
angeさんが
桜薫る蕗の薹のスフレ いちごのソルベ添え
Nさんが
ストロベリーレアチーズタルト
デザートまで力が入ってますね。
カウンター席5、テーブル席8のオープンキッチンです。
オーナーシェフの湯澤さんは ル・マノワール・ダスティンやアンフォールで長年シェフを務められた御仁。
フレンチに造詣の深いNさんと話が進みます。
やはり個人的には、オーナーのお人柄が分かるカウンターでの食事が好きですね
こちらならおもてなし使いでもプライベート使いでも満足のいくお店です。
今後ともお世話になる機会が増えそうです。