読者の皆様、こんばんは。Take Jazz Easy です。


今日は、父の日ということで、お祝いのカードとワインを父に渡しましたが、父の日にちなんだキリスト教(プロテスタント)の礼拝があったので、長いお付き合いの牧師さんの師匠にあたる方の説教を聴いてきました。


説教と言っても、いわゆる「お説教(笑)」とは違います。まず、サックスによる、讃美歌などの演奏を、その「お師匠さん」の牧師さんがなさって、3,4、曲吹いた後、「ルカの福音書」の一部について、説教がなされました。


「ルカの福音書」と言っても、ピンと来る方、来ない方、両方だと思いますが、新約聖書の、「ルカの福音書」の、15章です。


簡単に内容を申し上げると、「いかにイエスが罪人をも愛しているか」というテーマなのですが、具体的に、引用された聖書の内容を書き綴ると、「百匹の羊を持つ羊飼いが、そのうちの1匹が行方不明になったとして、今いる99匹を残して、その1匹を探しに行かないであろうか?」「見つかったら、大喜びして、そのことを、隣人たちと、喜びを分かち合わないだろうか?」とか、「10枚の銀貨を持つ女性が、そのうちの1枚をなくしたら、同じように、必死に探さないだろうか?」、そして、「その1枚が見つかったら、羊飼いと同様に、大喜びして、喜びを分かち合わないであろうか?」などといった内容なのですが、一番有名なのは、「放蕩息子(ほうとうむすこ)のたとえ」です。


やや詳しく申し上げると、「兄弟がいて、弟は、生前贈与を父に申し出て、快諾され、他国に行って、浪費して、一文無しになって、これ以上ないというほど落ちぶれて、餓死寸前で、『そうだ、父の所には、パンがたくさんあるし、雇人もたくさんいる。私は、神と、実の父を裏切ったのだから、息子としてではなく、雇人として、父に詫びて、働かせてもらおう」と言うお話です。


それで、彼が帰国すると、「父は、まだ家から遠かったのに、家出した息子に『走り寄って』、彼を抱き、くちづけした。」「そして、一番上等な上着を着せ、靴を履かせ、指輪をはめさせ、一番上等な仔牛の肉を用意して、祝宴を始めた。」という内容でした。


私は、ちゃんとした「洗礼」を受けていないので、「隠れキリシタン」みたいなものなのですが、折に触れ、日々、神に「感謝の祈り」を捧げています。


もっとも、「神の守護」を祈る、祈りであったり、「祈り」と言っても、様々なのですが、探し物が見つかると、必ずと言っていいほど、「十字を切り」ます。(「十字を切る」というのは、カトリックの教えなので、本来、プロテスタントの教会にしばしばお世話になっている私がやるのは、本来、あまり好ましいことではないのかもしれませんが、心の習慣なので、これをしないと、気が済みません)


本題に戻りますが、上の三つの例え話は、「ひとりの罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない、99人の正しい人にまさる喜びが天にある」という、聖書にも記述のある、イエス・キリストの教えを説いたものです。


何しろ、正式なキリスト教信者ではないので、偉そうなことは全く言えませんし、上の引用、説明も、舌足らずかもしれませんが、ジャズの世界では、キリスト教の信仰に基づく、演奏、作曲などが、圧倒的に多くなされている、ということを、モニターヘッドホンで、ジャズを聴いていて、嫌と言うほど、学びましたので、私のような、「キリスト教に私淑(ししゅく)している」分際でも、「ジャズを本当に理解したかったら、やはり、圧倒的多数のジャズメン(含む「ジャズウーマン」)が信奉する、キリスト教を、少しずつ、学ぶ必要がある。」と思って、日々、実践重視で、学習している最中です。


でも、この間、靖国神社に行った時も、「英霊」に、「現在の日本の繁栄と平和を感謝すると同時に、哀悼する」ために、ちゃんと、神道のやり方で、お参りしてきましたし、あるお寺に、お礼参りに行った時も、ちゃんと、仏教式で、感謝の気持ちを伝えてきました。


(靖国神社に関しては、例の、「A級戦犯分祀」問題などや、中国、韓国などからの閣僚の参拝に対する抗議、政教分離の問題などがありますが、私は、「天皇陛下万歳!」ではなく、実際には、「お母さん!」と叫んで、戦場で若い命を落とした、圧倒的多数の、「戦争の犠牲者」のとしての「英霊」に、詣でる必要がある、と、ふと思って、参拝した次第です)


それで、本日ご紹介するのは、当ブログ始まって以来の、初の「LP(レコード)」です(!)


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さて、どんなLPでしょうか?・・・そう、ジャズ史上、究極の名盤の一つ、「Waltz For Debby (ワルツ・フォー・デビー)」の、LPバージョンです。


このレコードには、聴衆の笑い声(一人、ものすごく場違いな大笑いをするおばさんがいて、ジャズに詳しい方なら分かるでしょうが、「天下のエヴァンスのライブで、その笑い方はないだろう・・」と、聴くたびに思います(笑))や、食器の音など、様々な雑音も入っていて、その音の入り方の違いなどの理由で、「Waltz For Debby」のLPを3バージョン(3枚)持っている、という友人もいます。


エヴァンスは、ユダヤ人ですから、多分、キリスト教徒ではないと思うのですが、ユダヤ教も、れっきとした宗教だし、ジャズの演奏を聴くのに、宗教は殆ど関係ないので、私のエヴァンスに対する愛情、敬愛には、全く影響しません。(世界にうずまく「ユダヤ人差別」も、単に「キリストを殺した」から、だけでは説明が付かないようですが、「汝の敵を愛せ」と、キリスト自身が言っているのですから、無用な差別はなくした方がよいのではないかと、非当事者ながら、考えています)


それで、いよいよ、本題に入りますが、何せ、LPなので、いつものように、「CD再生、ポーズ、ブログ書いて、また再生、ポーズ・・」という書き方はできません。その点、ご諒解下さい。


それでは、LPのジャケットは、こちら!


Waltz for Debby [Analog]/Bill Evans
¥1,077
Amazon.co.jp

(実売は、1192円で、残り在庫12点となっております。ご試聴は頂けませんし、ボーナストラックも、CDとは異なるようですが、お求めの際は、上記リンクより、アマゾンにアクセスして頂けると、幸いです


別のバージョンのLPはこちら!


Waltz for Debby [12 inch Analog]/Bill Evans Trio
¥1,077
Amazon.co.jp

実売は1180円で、在庫切れで、2~4週間以内に発送とのことです。上記リンクより、お確かめください


それでは、私にとっては、初めての試みとなる、「レコードを聴きながら、ブログを書く(!)」という作業に、取り掛かってみようと思います。


ちなみに、私が持っているこの作品のLPは、タワーレコードで、「完全限定生産」となっていたバージョンですので、上記の二つと、基本的曲目は一致しても、ボーナストラックについては、保証の限りではございませんので、ご諒解下さい。


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では、一曲目。(アームが動いて、針が落ちてきた!)


「My Foolish Heart」


この出だしは、ジャズが歴史から消えない限り、「もっとも美しいピアノトリオのイントロ」として、語り継がれることでしょうね。LPなので、「プツプツ音」が入りますが、ジャズ喫茶にいる気分になれますし、当然、オリジナルはLPで出されていますので、少しでも、エヴァンスに近づけた気分になれます。


先日の山中千尋さんの記事でも、「インタープレイ」に若干触れましたが、何といっても、「インタープレイ」と言えば、本作が代表格ですので、スコット・ラファロのベース、ポール・モチアンのドラムスと、エヴァンスのピアノの、究極の、「三位一体」の演奏が楽しめます。


そんなことを言っているうちに、もう、拍手が湧いて、一曲目が終わって、二曲目の、「Waltz For Debby」に移りました(笑)。


一曲目の耽美的な、理想的な美を追求する、静かな演奏とは、姿勢こそ同じなものの、曲調が、テンポも含めて、快活で、演奏を楽しんでいる姿が、目に浮かぶようです。


勿論、この曲は、姪のために書いた、エヴァンスのオリジナルです。


今、「場違いな『おじさん』の笑い声が聴こえました。有名な『おばさん』だけではないのですね(笑)。


そうこうするうちに、ラファロのベースソロ。完全に、エヴァンス、モチアンと、息が合っていますし、当然のことながら、技巧も完璧です。


「ラファロが自動車事故で亡くならずに、このトリオが何十年も続いていたら、ジャズの歴史は変わっただろうに・・」と、思わずにはいられない、「究極の美」の名にふさわしい演奏です。


気が付くと、エヴァンスメインの演奏で、エンディング、また、拍手。


休む間もなく、三曲目、「Detour Ahead」


二曲目に比べると、やや、沈鬱な感じの、エヴァンスが、よく、「リリカル(叙情的)と言われる所以が分かる感じの、演奏です。(また、『場違いな親父』が、軽く大笑いしました)(笑)


確かに、音量的には、「ピアノメイン」なのですが、他のメンバー、特にベースの存在が極めて大きいです。


集合住宅なので、ヘッドホンでしか、大音量で聴けないのが残念ですが、それでも、CDを聴くのとは、また違った「Listening Pleasure」(聴く喜び)が味わえます。


ラファロのベースソロの間に書きますが、先日ご紹介した、横浜、桜木町駅近くの、ジャズ喫茶(ジャズバー(?))の、down beat に、「Consecration」の、8枚目を持って行って、後半の5曲(つまり、エヴァンスの、現存する、最期の演奏)をかけてもらいました。


ママさんが、「これ、お客さんのCDですか?」と、びっくりされていましたが、私にとっては、理想的なオーディオ環境で、エヴァンスの最期が聴けて、本当に、キーストンコーナーにいるような錯覚さえ覚えました。(エヴァンスの御霊の平和を、と祈りながら聴きました)


さて、A面が終わったので、B面に変えます。


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B面の一曲目 「My Romance」


実は、「Consecration」の最後の曲も、この曲なんですね。かなり、演奏スタイルが違います。


エヴァンスは、「ラストトリオは、ファーストトリオ(このLPのメンバー)に匹敵する」と言っていたようですが、それは、クオリティ(質)についてで、演奏の有り様は、かなり違います。両者を聴き比べて頂ければ、お分かりになるかと思います。もっとも、エヴァンスの健康状態も、相当違うのですが・・・。


エヴァンスメインの演奏から、ラファロのベースソロへのバトンタッチも非常にスムースで、エヴァンスが、ラファロのこの演奏のすぐ後の死から、しばらく立ち直れなかったことが、理解できるというとおこがましいですが、想像に難くないです。(読者の皆さんも、大親友が突然死んだら、当然、滅茶苦茶ショックでしょう?)


ラファロから、エヴァンスへのバトンの戻し方も、非常にスマートです。


そして、エヴァンスは、原曲のメロディに比較的忠実に弾き、エンディングを迎えます。(拍手)


B面の二曲目 「Some Other Time」


格別、明るくも、暗くもない、中道の、「平常心のエヴァンストリオ」と言った感じの、中性的な演奏が楽しめます。


とは言え、この演奏の美しさと言ったら、クレオパトラもびっくり、と言っても、過言ではないと思います。是非とも、ご自宅で大音量で聴くなり、ヘッドホンで大音量でお聴きになるなり、ジャズ喫茶でリクエストして、大音量を楽しむなりしてみて下さい。このLPは、音量を抑えても、充分、美しいですが、適度な音量まで上げないと、楽しみが半減します。

是非。


今、「場違い」とは言えない程度の、「社交的笑い」が聞こえました。そして、拍手で、エンディング。


三曲目、「Milestones」 マイルス・デイヴィスのナンバーです。


アグレッシブなエヴァンスが聴ける、トリオの演奏が、冴えに冴えている一曲です。ドラムスのモチアンさんも、果敢に、攻めています。


エヴァンスのアドリブも、神業的な領域に入っています。三人が一つになって、一つのジャズの金字塔を作り上げている様子が、つぶさに伝わってきます。


後半になると、ラファロのベースが再び前面に出ますが、エヴァンスも、モチアンも、完全に対等に演奏しています。


初めて、このアルバムのことを知った方には、ちんぷんかんぷんのことが多いかもしれませんが、とにかく、CDでもいいから、「聴いて下さい!」

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B面4曲目、このLP最後の曲、「I Loves You Porgy」。


文法の間違いではありません。黒人(アフリカン・アメリカン)の独特の表現をそのまま、作曲者が活かしたタイトルです。


オリジナルLPには入っていなかった曲であるという、英語の表記が、LPジャケットに書いてあります。


「切ないほどに美しい」のは、原曲の良さもさることながら、エヴァンスを中心とした、この三人のまとまった演奏が、最高のパフォーマンスを成し遂げていることに由来していると、私は、確信します。


エヴァンスのアドリブも、「あまりにも早熟な・・」と思わせる位、精神年齢が、実年齢の5倍くらいあるのではないかと感じさせられる、万人の心の琴線に触れる演奏です。


(『場違いな』おばさんは、この曲の最後の方で出てくるんですよね。この曲、この演奏で、「あの笑い方」は、腹が立ってくるくらいです。(マジで))


以上で、LPのご紹介は終えました。今日は、えらく長い文章になってしまいましたが、「進化するブログ」でありたいという、潜在意識のあらわれだと思って、ご理解ください。今後も、あたたかい目で、見守って頂けると、幸甚です。


最後に、CDも、一応、ご紹介しておきます。


Waltz for Debby/Bill Evans
¥1,160
Amazon.co.jp

(実売は、991円で、1~3週間以内に発送とのことです。上記リンクより、アマゾンにアクセスなさって下さい

ワルツ・フォー・デビイ+4/ビル・エヴァンス
¥1,800
Amazon.co.jp

実売は、1605円で、在庫に余裕があるようです。LPと同じボーナストラックと、他の曲の別テイクが3曲、合わせて4曲のボーナストラックが入っているようです。詳しくは、上記リンクより、アマゾンにアクセスなさってみて下さい


ちなみに、今回ご紹介した、私が持っているLPは、「Wax Time」というレーベルが出したものです。タワーレコードで売っていたくらいですから、ものは確かだと思います。(蛇足)


LPのジャケットを部屋のインテリアとして使ってもお洒落だし、是非、LPバージョンはまだ聴いたことがないという方も、ジャズのレコード自体聴いたことがないという方も、お聴きになってみて下さい。


レコードプレーヤーがないという方も、1万円くらい出せば、それなりのものが変えると思いますので、これを機会に、是非。


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今回も、最後までお付き合い下さり、誠に、ありがとうございました。