皆様、ご無沙汰しておりました。愛機のゼンハイザーHD 380 PRO が修理から戻って参りましたので、再び、記事を書かせて頂きます。


このヘッドホンがないと、私はどうしても、ジャズの詳細な紹介のブログ記事が書けないので、長らくお待たせして、すみません。


気候も、「いよいよ夏か!?」と期待を抱かせたら、今度は、「今年は冷夏じゃないか?」みたいな日もあって、洋服も、何を着ていいか迷ってしまいますね。電車の中でも、薄着の人から、ちょっと上着に厚い生地のものを羽織った方まで、様々です。


それでは、今回ご紹介するアルバムはこちら!


A Night at Birdland, Vol.1/Art Blakey
¥845
Amazon.co.jp

実売は846円で、在庫には余裕があるようです。お求めの際は、是非、上記リンクより、アマゾンにアクセスなさって下さい。)


試聴用に、国内版も載せておきます。


コンプリート・バードランドの夜 Vol.1/アート・ブレイキー
¥1,700
Amazon.co.jp

実売は1420円で、残り在庫11点です。ご試聴頂けますので、是非、上記リンクより、アマゾンにアクセスなさってみて下さい。)


さて、この作品なのですが、ジャズを聴くなら、絶対に外せない一枚だと、私は思います。


かくいう私も、どちらかと言うと、ジャズメッセンジャーズ系は食わず嫌だったのですが、「死期が将来近づいたら、カントの『純粋理性批判』を読んでから死にたい。」と度々思っていたように、このアルバムも、「いずれ、そのうちに。」と思っていたら、コミュニティFMのラジオから、最高のサックスが流れてきて、すぐに録音して、自分のiPod Classic で、曲が「If I Had You」だということはメロディから分かっていたので、すぐに検索して、このアルバムを見つけ、レンタルではなく、ブログ用に、また、自分自身のジャズの教養のために買いました。


(ちなみに、ルー・ドナルドソンの「If I Had You」が入っているのは、「Volume.2」の方なのですが、こちらについては、順番と言うものがあるので、後日、取り上げたいと思っています。念のため、商品画像を載せておきます)


Night at Birdland 2/Art Blakey
¥845
Amazon.co.jp

こちらも、実売は846円で、在庫には余裕があります。お求めの際は、上記リンクより、アマゾンにアクセスなさって下さい。)


試聴用に、国内版も載せておきます。


コンプリート・バードランドの夜 Vol.2/アート・ブレイキー
¥1,700
Amazon.co.jp

実売は1554円で、残り在庫3点です。ご試聴頂けますので、是非、上記リンクより、アマゾンにアクセスなさってみて下さい。お求めはお早めに)


この、「Vol.2」の2曲目に、ルー・ドナルドソンの珠玉のサックスソロが入っています。鳥肌ものです。(「鳥肌」と言う日本語の使い方も、随分議論を呼びましたが、勿論、ここでは、「感動」の意味です。時代に流されました(笑))


さて、本題に戻ります。

今回ご紹介するアルバムは、最初に載せた「Vol.1」の方です。その点だけは、お気をつけ下さい。


ジャケットの帯には、「ハードバップの夜明けを告げる伝説的ライヴ・セッション」とあるのですが、端的に要約すれば、その通りのアルバムです。言いえて妙、とは、このことです。


それでは、私の得意技である、「音を言葉に翻訳する」作業に取り掛かります。(大学時代、金融論の論述試験で、数式を普通なら書くところを、全て言葉で書いて、ひどい成績をもらった苦い記憶が今でもあります(苦笑)


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まずは、メンバーを。


クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)が、トランペット

ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)が、アルトサックス

ホレス・シルヴァー(Horace Silver)が、ピアノ

カーリー・ラッセル(Curly Russell)が、ベース

アート・ブレイキー(Art Blakey)が、リーダーで、ドラムス


となっております。


それでは、全8曲、53分強の演奏をお楽しみください。(私がご案内するのは、国内版の方ですので、輸入盤との若干の差異については、分かりかねますので、ご容赦ください)


1曲目、「アナウンスメント by ピー・ウィー・マーケット (ANNOUNCEMENT BY PEE WEE MARQUETTE)


一曲目とは言っても、タイトルをご覧になれば分かる通り、「アナウンスメント」ですが、この「アナウンスメント」が、ものすごいインパクトを持っているんですね。


私が初めてこの「アナウンスメント」に出会ったのは、「US 3」というアシッドジャズ・ユニットの「CANTALOOP」という、当時、開局時の勢いがあったと言うか、コンセプトが鮮明だったJ-Wave という在京ラジオ局で、よくかかっていた曲を聴いたときのことです。


マーケットプレイスでしか買えませんが、一応、こちらも、アシッドジャズを語るには、欠かせない一枚ですので、載せておきます。


Cantaloop/Us3
¥592
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(新品で2000円位、中古で1000円位のお値段です。これは、アフィリエイトとは無関係に、アシッドジャズの名作ですので、載せておきます。ご興味がおありであれば、アクセスなさってみて下さい。)


本題に戻りますが(脱線が多くて済みません(笑))、このアナウンスメントが、CANTALOOP の冒頭にも、編集を加えて、採用されているんですね。その位、伝説的な、58秒間です。


そして、アナウンスメントも終わって、いよいよ2曲目です。


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2曲目、「スプリット・キック (SPLIT KICK)」。ホレス・シルヴァーの作曲です。


「新しい時代の幕開け」を実感させられる、メンバー総動員のイントロです。1954年2月のバードランド、モダンジャズも、ブルーノートも、一番輝いていた頃の、忘れがたい記憶です。


それにしても、凄い面子(めんつ)です。


トランペットとアルトサックスの二管のサビの演奏に移っても、その輝きは衰えることは決してありません。


そして、ルーさんのアルトサックスソロ。「男が男に惚れる」というのは、こういう瞬間を言うのでしょうね。(ホモではありませので、誤解のないように(笑))


先日、ジャズに大変ご造詣が深い実業家であり、私の人生学の大師匠に久しぶりにお会いしたのですが、その方も、やはり、フリージャズやエレキトリック・マイルスは好きになれないとおっしゃっていました。私も、同感です。「ジャズを殺したのは、実は、帝王マイルス本人ではないか?」というのが、最近の私の仮説です。


確かに、「ジャズを進化させた」ことは間違いないのですが、それと同時に「伝統を破壊した」という一面も否めないのではないかと思うのです。その点、私が最も尊敬するジャズピアニストのビル・エヴァンスは、最期まで、初期のスタイルを踏襲していましたね。彼こそ、「ジャズの最大の殉教者」ではないかと、個人的には思っています。(麻薬云々は抜きにして)


本線に戻ります。ルーさんの華麗なサックスソロがしばらく続きます。全盛期のアート・ブレイキーのドラムスが光ります。


そして、クリフォード・ブラウンのトランペットソロ。天才とは、こういう音を出せる人のことを言うんだろうな、と思わされる、魅惑的なトランペットソロです。(この方の夭逝も、ジャズ史上最大の悲劇の一つですね)


高音を駆使した、スピーディーなトランペットソロが、しばらく続きます。

リズムセクションは、当然、一緒に動いています。


その後、ホレス・シルヴァーのピアノソロ。二管はお休みです。いぶし銀のピアノソロとでも言いましょうか、地味だけど、堅実で、誠実なピアノソロです。


それから、アルトが戻って、すぐにトランペットも戻って、一種の掛け合いのような状態が少しあって、アート・ブレイキーのドラムスソロが続きます。こちらも、圧巻です。


最後は、冒頭と同じ、メンバー全員での、サビの演奏です。最高です。


クリフォード・ブラウンの名前がアナウンスされます。


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3曲目、「ワンス・イン・ア・ホワイル (ONCE IN A WHILE)」


一転して、ホレス・シルヴァーの渋いピアノのイントロに、ブラウニーの甘美なトランペットが乗っかります。(彼女を口説く時に、この曲は使えますよ(冗談、但し、タイミングを外さないように!)


うっとりするような、本当に、心の底からリラックスできる、ブラウニーのトランペットソロです。


途中から、ちょっと曲調が変わって、ややアップテンポと言うか、音符の数が増えますが、曲のコンセプトは一貫しています。当然、アルトサックスはお休みです。実質上のワンホーンカルテット状態です。


しかし、ブラウニーの天才ぶりは伝説的ですが、バックのリズムセクションも、ものすごくしっかりとしたサポートをしています。名盤の名盤たる所以ですね。


最後は、ブラウニーの貴重な完全ソロも聴けて、大満足で、終わります。


4曲目、「クイックシルヴァー (QUICKSILVER)」 アナウンスメントにもあるように、ホレス・シルヴァーの作曲です。


2曲目を彷彿とさせる、全員参加の、とても威勢のいいイントロから入ます。そして、アグレッシブなホレス・シルヴァーのピアノソロの後、再び、全員野球になりますが、今度は、ルーさんのアルトサックスソロに移ります。


非常にスピーディーで、東名をフェラーリで飛ばしているかのようなソロです(やったことないですが(汗))


そして、間髪入れず、ブラウニーのトランペットソロ。こちらも、アルトに勝るとも劣らない、アグレッシブで、スピーディーな演奏です。そんな中にも、哀愁の影が垣間見えるのが、天才のなせる業でしょうか?


その後、今度は、作曲者でもある、ホレス・シルヴァーのピアノソロ。

誰もが、大声で叫んでいるかのような、非常に、スカッとする演奏です。ストレス解消にもってこいですね。


最後は、再び、二管を中心に、全員がまとまって、最高の演奏を繰り広げます。アート・ブレイキーの短めのドラムスソロも、聴きどころです。


あっさりと終わります。


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5曲目、「チュニジアの夜 (A NIGHT IN TUNISIA)」


アナウンスメントでも分かりますが、ディジー・ガレスピーの作曲です。スタンダードになっていますね。


ドラムス、ベース、ピアノの順に高まっていくイントロに、トランペットもからみますが、アルトも短いソロを取って、その後すぐ、二管のサビの合奏になります。


そして、ルーさんの超絶技巧が何気なく示された後、平常心のアルトソロに移ります。リラックスして聴ける、安定感抜群のアルトソロです。


その後、ブラウニーのトランペットソロ。アート・ブレイキーの存在感を示すドラムスの場面もありますが、主役のクリフォード・ブラウンが一番輝いています。まるで、自分の余命を知っていたかのように・・・・。


技巧もアイデアも、抜群のセンスのブラウニーのトランペットソロの後、今度は、ホレス・シルヴァーのピアノソロです。二管はお休みなので、ピアノトリオ状態なのですが、いわゆる本物のピアノトリオの演奏とは、やはり、聴いていて、明らかに違いを覚えます。二管の存在感に対する緊張と言うか、意識と言うか。


ホレス・シルヴァーのピアノソロも、秀逸です。


そして、アート・ブレイキーのドラムスソロ。ドラムスをやっている方なら、また、ドラムス好きの方なら、これは聞き逃せませんね。


最後は、トランペット中心にサビの演奏なされて、絶妙のエンディングを迎えます。


6曲目、「メイリー(MAYREH)」ホレス・シルヴァーの作曲です。


オリジナルLPは、ここまでで終わりですが、この曲のご紹介の後、少なくとも国内版には含まれている、ボーナストラックの2曲をご紹介します。


ドラムスの痛快な一撃に、ピアノが乗っかって、そこに二管が加わって、最高に格好いいサビの演奏がなされます。「古き良き時代のアメリカ」の代名詞の一つのような演奏です。


そして、クリフォード・ブラウンのトランペットソロ。力強く、それでいて繊細で、彼が「天才」と言われたことに納得の行くソロです。


その後、すぐに、アルトのルーさんのソロ。ジャズの真剣勝負とは、こういう演奏のことを言うのでしょう。トランペットソロとの相乗効果で、アルトも、非常に響きのいいソロになっています。


続いて、ホレス・シルヴァーのピアノソロ。適度なクールさとアグレッシブさが程よくマッチした、好演奏です。


それから、ドラムスのソロ。さすがアート・ブレイキーという、圧倒的なソロです。


最後は、全員演奏で、クロージングテーマに「バードランドの子守歌」を軽く演奏して、終わります。


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7曲目、ボーナストラック1曲目、「ウィー・ドット(別テイク)」(WEE-DOT(ALTERNATE TAKE))


アート・ブレイキーのドラムスのイントロに、軽快な二管の演奏が加わって、そこから、今度は、アルトのサックスソロに移ります。


やはり、ボーナストラックということもあってか、やや軽量級の演奏という感も否めないことは事実です。それでも、超一流ですが・・・


続いて、クリフォード・ブラウンのトランペットソロ。こちらも、やや力の抜けた、ボクシングのジャブのような演奏です。BGMとして聴くには、オリジナルLPの6曲より、こちらの方が適しているかもしれませんね。


そして、ピアノソロ。爽快な演奏です。第三京浜を法定速度+10キロで走るポルシェとでもいいましょうか(これも未経験ですが(汗))


それから、初めて、この作品で、ベースが前面に出る時間があります。


最後は、二管を中心に、さわやかに終わります。


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8曲目、「ブルース (BLUES)」即興です。


ピアノのいなせなイントロから入って、ブルース調がたまらなく男らしい一曲です。


アルトのルーさんも、「一杯ひっかけたのかな?酔拳かな?」と本気で思ってしまう位、最高にブルージーです。珠玉のソロです。


アルトサックスソロがしばらく続きますが、全く飽きは来ません。「次はどんな音が出るのだろうか?」と固唾をのんで聴かずにはいられない、秀逸な演奏です。


そして、クリフォード・ブラウンのトランペットソロ。こちらも、実年齢の3倍くらいの精神年齢を感じさせるくらいの、軽妙酒脱なソロです。


リズムセクションとの掛け合いみたいなやり取りもあって、究極の演奏です。


それから、ピアノソロ。仕事帰りに立ち寄った馴染みのジャズバーから、こんな音が聞こえたら、「それは奇跡だろう」みたいな演奏です。


即興の良い面ばかりが目立つ、非常に優れた演奏です。


ピアノと二管の掛け合いのような場面もありますし、是非、この曲も、皆様に聴いて頂きたいと切に思います。


ピアノメインの全員演奏で、終わります。


以上で本作のご紹介を終えますが、いかがだったでしょうか?


今、調べましたが、輸入盤の方も、ボーナストラックは入っているようなので、どちらをお求め頂いても、大丈夫なようです。


ちなみに、今までは、迷惑コメント(根拠なき、誹謗、中傷)を避けるため、コメントの受付をアメーバ会員のみとしておりましたが、承認制ですが、アメーバ会員の方以外からも、コメントを受け付ける設定に変えましたので、是非、コメントをお寄せ下さい時間の許す限り、頂いたコメントにはお答えします。


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今回も最後までお付き合い頂き、誠に有難うございました。