皆様、こんにちは。いかがお過ごしですか?
もうすぐ4月。春の訪れが楽しみです。
それでは、今日、ご紹介するアルバムはこちら!
- チェット・ベイカー・シングス・アンド・プレイズ/チェット・ベイカー
- ¥999
- Amazon.co.jp
(実売は925円で、残り在庫15点です。ご試聴頂けますので、上記リンクよりアマゾンにアクセスなさって下さい)
さて、既にこのアルバムをご存じの方も多いかもしれませんが、チェット・ベイカーの絶頂期の作品です。内容的にも、非常に充実しています。
チェット・ベイカー(Chet Baker)のトランペットとヴォーカルの両方の、最高の演奏が聴ける一枚です。
全10曲、35分半の演奏ですが、最後までお付き合い下さい。
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メンバーは、
1、3、5、7、8、10曲目が、
チェット・ベイカーが、トランペットとヴォーカル
ラス・フリーマン(Russ Freeman)が、ピアノ
カーソン・スミス(Carson Smith)が、ベース
ボブ・ニール(Bob Neal)が、ドラムス
2、4、6、9曲目が、
チェット・ベイカーが、トランペットとヴォーカル
バド・シャンク(Bud Shank)が、フルート
ラス・フリーマン(Russ Freeman)が、ピアノ
レッド・ミッチェル(Red Mitchell)が、ベース
ボブ・ニール(Bob Neal)が、ドラムス
それに加えて、ストリングス
となっております。
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それでは、1曲目、「レッツ・ゲット・ロスト (LET'S GET LOST)」
ピアノ主体のイントロに、チェットのトランペットが乗っかって、サビの演奏を行います。ピアノ、ベース、ドラムスと、チェットのトランペットのコラボが、実に巧みで、「さすが名盤!」という感じです。
そして、チェットのヴォーカル。彼の全盛期であることが、聴いていて伝わってくる、甘美ながらも、元気旺盛なヴォーカルです。
英語の発音も、聴き取りやすいです。
今度は、トランペットソロ。完全ソロではありませんが、軽めのアドリブが心地よいです。
その後は、トランペットはお休みで、ピアノトリオ状態になって、ピアノソロです。
最後は、チェットのヴォーカルがサビを歌って、終わります。
2曲目、「ジス・イズ・オールウェイズ (THIS IS ALWAYS)」
ストリングスの優雅なイントロにフルートも加わって、情感たっぷりの演奏に、優しく包み込むような、チェットのヴォーカルが入ります。
「チェット自身が、晩年、この時期の自分の作品を聴いて、どんな気持ちだっただろうか?」なんて疑問も頭をもたげます。
人気、実力ともにナンバーワンだったこの頃の彼を奈落の底に落としたのは、麻薬です。怖いですね。
それはさておき、この曲でも、彼のヴォーカルの美しさが、いかんなく発揮されています。ジャズ史上、最も有名なアルバムの一枚と言っても過言ではありませんし、お値段もお手頃なので、是非、お聴きになってみて頂きたいアルバムです。
そして、歌唱が一段落して、ストリングスとフルートのつなぎの後、今度はトランペットを吹くチェットです。
最後の方は、トランペットとヴォーカルが重なる部分もありますので、多重録音でしょうか?確実な説明ができず、申し訳ありません。ご存じの方がいらしたら、教えて頂きたいです。
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3曲目、「ロング・アゴー・アンド・ファー・アウェイ (LONG AGO AND FAR AWAY)」
トランペットの威勢のいいイントロから入ります。そして、そのまま、トランペットによるサビの演奏(!)。支えるリズムセクションも頑張っています。
その後は、トランペットのアドリブ。超絶技巧派ではないのですが、それでも、聴く者を魅了する、充分な魅力を備えた、チェットのトランペットです。
続いて、今度は、ヴォーカル。声に彼独特のつやがあって、「彼にしか出せない声」というのが、やはり、人気の理由でしょうか。
ヴォーカルの後は、ピアノソロ。こちらのアドリブも、さすが、ラス・フリーマンという、充実した内容です。
そして、トランペットが帰ってきて、リズムセクションとの共演です。トランペットの音とピアノが張り合っているのが、ちょっとした緊張感を漂わせています。
最後は、チェットのヴォーカルで、終わります。
4曲目、「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー (SOMEONE TO WATCH OVER ME)」
フルートのイントロで、「この曲だ」と分かるくらい、有名なイントロですね。
そして、チェットの歌唱。サビをストレートに歌っているのですが、言葉では表現しがたい、魔法のような魅力を感じるヴォーカルです。
ストリングスも、フルートも、良いアクセントになっています。
それから、今度は、トランペットのチェットかと思うと、すぐにヴォーカルに戻ります。
そのまま、サビを歌って、最後はフルートが閉めて、終わります。
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5曲目、「ジャスト・フレンズ (JUST FRIENDS)」
トランペットとピアノの合奏から入ります。すぐに、チェットのヴォーカル。彼にしては、ちょっとアグレッシブなニュアンスも感じるようなヴォーカルです。
そして、トランペットソロ。こちらも、ヴォーカル同様、アグレッシブさが感じられます。
ピアノソロも、ややスピーディーで、「峠を攻めている車」(笑)のような感じです。(ちょっと言い過ぎかな?このアルバムの中では、と言う意味です)
最後は、テンポの良い、チェットのヴォーカルに戻って、おしまいは、トランペットを吹いて、終わります。
6曲目、「アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー (I WISH I KNEW)」
フルートとストリングスの感動的なイントロから始まって、チェットのサビの歌唱に移ります。
彼のヴォーカルの魅力が、とりわけ輝いているように感じられる一曲です。
ストリングスとフルートの間奏の後、トランペットソロに移りますが、こちらも、「永遠の輝き」という賛辞を贈りたくなるくらい、最高に美しく、格好いいソロです。
そして、再び、チェットのヴォーカル。素晴らしいです。とにかく、聴いてみて下さい(笑)
最後は、ストリングスが閉めます。
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7曲目、「デイブレイク (DAY BREAK)」
この曲も、5曲目同様、他の曲と比較して、「男らしさ」を前面に出したトランペットの演奏から始まります。リズムセクションとの息の合い方も、絶妙です。
1分くらい、トランペットの演奏が続いた後、チェットはヴォーカルに移ります。ヴォーカルの方は、彼独特の、中性的なヴォーカルです。
そして、ヴォーカルが一通り終わったところで、再び、トランペットソロ。
軽いノリの、聴きやすい一曲です。
最後は、トランペットが、サラッと閉めます。
8曲目、「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ (YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS)」
ピアノの、深遠な響きのイントロから始まって、チェットの、ちょっとシリアスなヴォーカルに移ります。
超スタンダードな曲ですが、数多い、この曲の演奏の中でも、特筆すべきバージョンが、この、チェットのバージョンだと私は思います。
ピアノの伴奏だけで、ひたすら歌い続けるチェットの歌声が、この後の彼の人生を考えると、意味深に聞こえてしまいます。(歌詞も歌詞ですしね。ちなみに、この国内版のアルバムには、英語の歌詞カードが付いています)
その後、ドラムス、ベースも加わって、チェットのトランペットソロに移ります。奇をてらったような要素はないのですが、素朴ながらも、芸術性が極めて高い演奏だと、私は思います。
最後は、チェットのヴォーカルに戻って、まるで一つのドラマが終わるかのように、エンディングを迎えます。
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9曲目、「グレイ・ディセンバー (GREY DECEMBER)」
ストリングスの、ちょっと切迫した感じのイントロから始まって、チェットのヴォーカルに移ります。
ヴォーカルに移っても、背後のストリングスが、ただならぬ雰囲気を漂わせていて、チェットのヴォーカルも、深刻な響きを放っています。
しばらくヴォーカルが続いた後、チェットのトランペットソロになりますが、ここで、ようやく、「曇りがちな12月」の呪縛から放たれたかと思うと、再び、チェットのヴォーカルと、ストリングスの、曇天続きそのものを思わせる演奏で、終わります。
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10曲目、最後の曲、「アイ・リメンバー・ユー (I REMEMBER YOU)」
ピアノの繊細なイントロから始まって、チェットらしい、優しさと包容力のあるヴォーカルを聴くことができます。
歌の前口上が終わって、本格的に始動すると、テンポも上がって、スウィング感たっぷりの演奏になり、前曲の暗闇のような世界からは、かけ離れた、雲一つない青空の世界になります。チェットのヴォーカルも、絶好調です。
そして、トランペットソロ。こちらも、吹っ切れたような明るさで、聴いていて、ウキウキすると同時に、こういう曲でアルバムのエンディングが聴けることに、喜びを覚えます。
ピアノのラス・フリーマンも、いきいきとしたソロを聴かせてくれます。
トランペットと、リズムセクションの、互いに高めあうような演奏も、好感が持てます。
最後は、チェットのはつらつとしたヴォーカルで、終わります。歌詞もいいですね。
以上で本作のご紹介を終えますが、いかがだったでしょうか?
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今回も最後までお読み頂き、誠に有難うございました。