皆様、こんにちは。お元気でお過ごしですか?


まだ寒暖の差は多少ありますが、もう、春はすぐそこまで来ていますね。


ワシントンの桜は咲いているようですが、日本の桜も、もうすぐ見られることでしょう。


それでは、今回ご紹介するアルバムはこちら!


アンダーカレント/ビル・エヴァンス&ジム・ホール
¥999
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実売は915円で、在庫には余裕があります。ご試聴頂けますので、是非、上記リンクより、アマゾンにアクセスなさってみて下さい)


Undercurrent/Evans
¥1,210
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輸入盤です。実売は991円で、在庫には余裕があります。上に載せた国内版の6曲の他に4曲のボーナストラックが含まれていますのでこちらをお買い求めの際は、上記リンクよりアマゾンにアクセスして頂けると幸いです


では、内容に。(私は国内版を所有していますので、そちらのご紹介になります。予め、ご了承下さい


このアルバム、録音が1962年の4月、5月なのですが、ビル・エヴァンスの盟友、ベーシストのスコット・ラファロが亡くなって、未だ立ち直れずにいたエヴァンスの復活のきっかけとなった作品と認識しております。


ピアノ・トリオではないのですが、エヴァンスのピアノと、ジム・ホールのギターの「インタープレイ」が手に取るように分かる、大傑作です。


全6曲、30分半の演奏ですが、最後までお付き合い下さい。


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メンバーは、


ピアノが、ビル・エヴァンス(Bill Evans)

ギターが、ジム・ホール(Jim Hall)


となっております。


この録音の時点で、既に名を成していた、ビッグな二人の共演です(!)


1曲目、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン (MY FUNNY VALENTINE)」

(5分21秒)


ジャズのスタンダードの中でも、とりわけ有名な一曲ですね。


いきなり、二人の共演で、サビの演奏が始まります。まずは、エヴァンスのピアノ主体の演奏です。とは言え、ジム・ホールも、単なる伴奏ではなく、れっきとした「インタープレイ」がなされている点が、特筆です。


そして、今度は、ジム・ホール主体の演奏に切り替わります。アドリブです。


二人の「あ・うん」の呼吸が、聴いていて、よく伝わってきます。


また、単にインタープレイがすごいというだけでなく、当然ですが、ジム・ホールのギターテクニックが冴えに冴えています。(エヴァンスのピアノは言うまでもありません)


ギターのアドリブが終わると、今度はエヴァンスのピアノのアドリブが主体の演奏になります。アグレッシブで、惜しみなくテクニックを披露するエヴァンスの演奏に、感銘を受けます。まるで、ラファロを亡くした怒りを昇華させているかのような演奏です。ジム・ホールとのインタープレイも、非常にスピーディーです。


終盤は、今度は、ジム・ホールがサビを演奏します。エヴァンスも活発に動いています。


くどいようですが、二人の濃密なインタープレイが極めて鮮烈な輝きを放つ、名演です。


そのまま、終わります。


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2曲目、「アイ・ヒア・ア・ラプソディ (I HEAR A RHAPSODY)」 (4分36秒)


(ちなみに、ちょっと前に、ケニー・ドリューの「UNDERCURRENT」をご紹介しましたが、あれとは、全く別の作品ですので、念のため)


1曲目とは、うって変わって、スローテンポなバラードナンバーです。ジム・ホールのギター主体のイントロで始まり、ギターがサビを奏で、ピアノがそれに寄り添います。


少しして、エヴァンスのピアノ主体の演奏に変わります。「MOONBEAMS」みたいな感じ、というと、分かり易いでしょうか?エヴァンス独特の耽美的なピアノ演奏です。


再び、ギターメインの演奏に戻り、サビの演奏がなされますが、すぐにエヴァンスのアドリブに移ります。しばらくは、完全ソロです。この上なく美しい演奏です。


そして、ギターが戻り、二人のコラボが聴いて取れます。二人とも知性派だから、息が合うんでしょうかね。


最後は、ギターのサビの演奏に、エヴァンスがからむ形で、終わります。


3曲目、「ドリーム・ジプシー (DREAM GYPSY)」 (4分32秒)


エヴァンスの、哀しみをたたえたピアノのイントロが、非常に感動的です。これは必聴ですね。


そこに、ジム・ホールのギターが加わって、ギター主体の演奏に移るのですが、エヴァンスも、ただの伴奏ではなく、あくまで、両者対等の音のやり取りが行われているというのが、本作の特徴です。その辺をよく聴きこむには、オーディオの音量を上げるか、ヘッドホンでじっくり聴くのが良いと思います。


さて、ピアノの素晴らしさもさることながら、ジム・ホールのギターも、あらゆる意味において、ピアノと対等の、テクニック、アイデアを有しているように聴こえます。さすが、ジム・ホールという、聴いていて充分納得のいくギター演奏です。


今度は、エヴァンスのピアノ主体の演奏に変わります。エヴァンスのリリカル(叙情的)な側面が存分に発揮された、「究極の美」とでもいうべき演奏です。


ピアノとギターがからみあいながら、終わります。


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4曲目、「ロメイン (ROMAIN)」 ジム・ホールのナンバーです。(5分20秒)


エヴァンスの静かなピアノのイントロから始まります。結構長いこと、完全ソロが続きますが、50秒くらい経って、ギターが加わり、ギターメインの演奏に変わります。


このアルバムでテンポが速いのは1曲目くらいで、他は、この曲も含めて、バラード調です。


深夜に、バーボンでもウィスキーでも飲みながら、夜の静謐(せいひつ)の中、淡々と進行する演奏を味わいたい、そんな一曲です。


中盤で、どちらがメインと言うこともなく、完全に対等に両者がインタープレイを実現するところがあるのですが、ここは、聴きどころですね。


その後、エヴァンスの完全ソロによるアドリブが聴けます。復活の予感漂う、しっかりとしたタッチの、ピアノ演奏です。


そこに、ジム・ホールのギターが絡んできて、再び、インタプレイの世界に戻ろうとします。録音時間は短めのアルバムですが、多様な展開や、二人の音のやり取りの豊富さを考えれば、内容的には充分濃いです。


最後は、ギターメインの演奏で、終わります。


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5曲目、「スケーティング・イン・セントラル・パーク (SKATING IN CENTRAL PARK)」 (5分19秒)


ピアノの短めのイントロから、二人の共演へと、移ります。旋律を奏でているのはギターですが、ピアノも、豊潤な音で、共に進行します。このアルバムがきっかけで、「インタープレイ(INTERPLAY)」という言葉が流行ったということが頷ける、充実のコラボです。


そして、今度は、ピアノメインの演奏。テンポはゆっくりですが、ほのかに明るさの漂うナンバーです。


すぐに、ギターメインの演奏に切り替わったかと思うと、再び、ピアノメインの演奏に。そして、また、ギターメインの演奏。音のキャッチボールが頻繁に行われています。全くの同時進行のインタープレイもいいですが、従来のジャズの演奏形式(掛け合い)のような形でのインタープレイも、充分に魅力的ですね。


この後も、主役の交代は幾度かありますが、最後は、ギターメインで、ピアノがしめます。


最後の曲、6曲目、「ダーン・ザット・ドリーム (DARN THAT DREAM)」

(5分6秒)


ピアノの和音の美しさが際立つイントロから入ります。


そして、ギターの完全ソロ。そこに、ピアノがそっと加わります。


両者の相性の良さが聴いて取れる名演です。


それから、ピアノメインの演奏に変わります。とてもゆったりとした、スタンダードの演奏です。


そして、ギターメインとも、両者対等とも取れる演奏の後、明らかにピアノメインの演奏へと移り変わりますが、その後は、ギターメインの演奏になったかと思うと、再び、ピアノメインに。


しかし、完全ソロ以外は、常に両者の間で、音の会話、音楽空間の対等な支配という、インタプレイそのものが、常に行われているアルバムですから、どちらがメインでも、どちらの音が前面に出ていても、いわゆる、「主と従」という関係にはないところが、本作の最大の魅力ですので、是非、お聴きになってみて頂きたいと思います。


最後は、エヴァンスの締め括りに、ギターが少し加わって、終わります。


以上で、本作のご紹介を終えますが、いかがだったでしょうか?


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今回も最後までお読み頂き、誠に有難うございました。