さて、本日ご紹介するのは、いぶし銀のアルトサックス奏者、ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)のリーダー作、「Swing, Swang ,Swingin'」です。


このブログを始めて一週間くらいしか経っていない、2009年10月24日の記事で、このアルバムに一応触れたことはあるのですが、詳しい内容には全く立ち入っておらず、また、私の愛聴盤ということもあり、この度、ご紹介させていただくことにしました。


ちなみに、上述の2009年の記事には、このアルバムの一曲目で、スタンダード中のスタンダードナンバーである、「What's New」の歌詞の内容などについて面白いことが書いてあるので、宜しければ、そちらもご参照ください。


それでは、アルバムのジャケットを。

スイング・スワング・スインギン/ジャッキー・マクリーン
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(実売は1685円で、在庫は残り4点となっております。また、国内版なので、上記リンクからアマゾンに入って頂けますと、ご試聴頂けます。是非、試聴なさってみてください。現在、新品で買えるバージョンで一番安いのは、この国内版となっております。)


それでは、内容に入ります。1959年の録音で、演奏者は、リーダーで、アルトサックスがジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)、ピアノがウォルター・ビショップ・ジュニア(Walter Bishop JR.)、ジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)がベース、アート・テイラー(Art Taylor)がドラムスという、豪華な布陣となっています。

1959年の録音ですが、モダンジャズ真っ盛りの時期ということもあり、古っぽさは全く感じさせません。


スタンダードナンバーを多く取り上げているのが特徴のこのアルバムですが、これからご紹介していく各曲の中に、お好きな曲があったら、ヴォーカルと聴き比べてみるのも一興かもしれませんね。


それでは、一曲目、ご案内した通り、「What's New」。


イントロっぽいピアノの演奏などもなく、いきなり、マクリーンのサックスがブローされます。この出だしが、このアルバムの非常に爽快感溢れる演奏を象徴しているように思われ、大変好感が持てます。


サックスがサビを奏でながら、リズムセクションが動いていると思うと、今度は、ピアノがメインになって、すぐ、サックスのサビの演奏に戻って、そのままアドリブに入るのですが、原曲の完成度を残した、程よい即興の演奏で、「サックスが歌っている」とでもいうような、名演奏です。


そして、今度は、本当にピアノソロ。サックスはお休みで、リズムセクションだけの演奏となります。奇をてらわない、オーソドックスな演奏なのですが、それが却って安心して聴ける、優れた演奏となっています。


再び、サックスが戻って、原曲の痕跡を十分に残しつつ、それでいながら、新鮮な即興演奏を聴かせてくれます。


最後は、冒頭と同じ、サビの演奏になりますが、高音も駆使したり、様々な工夫がなされた、サビの繰り返しで、終わります。


2曲目、「Let's Face the Music and Dance」。名作曲家、アービン・ベルリンの作曲したナンバーです。


この曲も、出だしから、サックスが飛ばします。繰り返しになりますが、歌心に溢れたサックスですね。リズムセクションとの相性、協調性、全体としての四人のまとまりも、最高です。


そのまま、サックスのアドリブに入りますが、「正統派」といった感じの、創意工夫に溢れながら、これまた奇をてらわない、素晴らしい演奏です。リズムセクションもいいです。


中盤でピアノソロ。スピード感が程よい、実に心地よい演奏です。アイデアに溢れた、素晴らしいソロです。


一曲目の展開と同様、サックスが冒頭と同じように、サビの演奏に戻りますが、なかなか洒落たエンディングです。


3曲目、「Stblemates」。以前にもご紹介した、「I Remember Clifford」を作曲したことでも知られる、ベニー・ゴルソンのナンバーです。


やはり、サックスがいきなり最初から入ります。サビの演奏が実に、流麗で、心地よいです。


アドリブに入っても、さすがマクリーンという、全く飽きを来させない、名演奏です。流れるようなサックスの音色と、背後のリズムセクションの調和が、実に見事です。本当に、このアルバムは、モダンジャズがお好きな方には、絶対にお勧めの一枚です(!)


中盤を過ぎて、ピアノソロ。私が慣れているせいもあるかもしれませんが、本当に安心して、ゆったりと聴ける、至福の時を感じさせてくれる演奏です。ベースとドラムスの安定感も抜群です。


終盤は、これまた冒頭のように、サックスがサビの演奏に戻りますが、全くマンネリ感はありません。


4曲目、「I Remember You」。この曲も、スタンダードとして非常に有名ですね。


サックスがサビから入ります。この、いい意味での単刀直入な感じが、このアルバムを通しての特徴であり、非常に分かり易く、かつ、優れた演奏としても、成り立っていると思います。


(実はこの曲、私のプロフィールで、「好きな曲」として、書いてあります。その理由をお知りになりたいかたは、2009年12月17日のエラ・フィッツジェラルドの記事を、お時間が許せば、ご参照ください)


原曲が特にメロディアスなので、サックスの音を聴きながら、歌詞を思い出します。


すぐにアドリブに入ります。このアドリブのありようというか、原曲と自由自在な即興のバランスが、実に、優れていると思います。メンバーの誰だかは分かりませんが、ヘッドホンから、感極まった演奏者の声も聞こえます。


そして、ピアノソロ。古き良き時代を彷彿とさせる、名演奏です。


終盤は、サックスがサビを再び演奏します。この曲が私同様お好きな方は、マクリーンによるこのサビの演奏は、痺れますよ(!)


5曲目、その名も「I Love You」。コール・ポーターの作曲した曲です。


(このアルバムを何気に渡して、「5曲目を聴いてみて」という告白もありかもしれませんね(笑)。(ちゃんとラッピングしてないで、すぐに見られると、意味がありませんが(苦笑))


珍しく、リズムセクションによるイントロが少しあって、それから、サックスによるサビの演奏に入ります。ちょっとひと捻りあって、心にくい配慮ですね。


アルトサックスの高音の美しさが特に際立つサビの演奏です。


そして、サックスのアドリブ。ここでも、感極まった演奏者(サックス以外の誰か)の声がほんの少し聞こえます。まるでライブのようです。


オーソドックスながら、何かに束縛されている感じなどまるでない、いい意味で、自由闊達なアドリブです。とにかく、聴いていて、ストレスが吹っ飛んでしまうのを感じるくらいです。


しばらくして、ピアノソロ。実に安定感のある演奏で、安心して聴いていられます。遊び心もあって、楽しめるソロです。


それから、ベースソロ。ドラムスが絡んでいきます。ピアノもちょっかいを出します。そして、再びサックスによるサビの演奏。最高の展開ですね(!)


フェイドアウトの仕方もいいです。


6曲目、「I'll Take Romance」。


サビが冒頭からブローします。


私は、マクリーン氏がお亡くなりになる前に、コンサートでこの方の演奏を聴いたことがあるのですが、100メートルくらい先まで音が伸びてくるような演奏で、本当に感動するとともに、びっくりしたことを思い出します。


サックスとリズムセクションの掛け合いっぽい感じも若干あって、本当によく工夫されたアルバムだな、と、改めて、思わずにはいられません。


そして、アドリブ。サビを部分部分に少しずつちりばめながら、それと同時に即興をこなすサックスの技量に感服です。


中盤少し前には、ピアノソロ。リズムセクションに徹するという姿勢と、ジャズマンとしての個性が程よくブレンドされた、珠玉の演奏です。


その後、ベースソロ。ピアノ、ドラムスとの関係性が楽しめます。ベースソロとしては、比較的オーソドックスな演奏だと思います。


サックスに再び戻って、アドリブのような演奏がしばらくなされた後、冒頭のサビの演奏に戻ります。


エンディングはさっぱりしています。


最後の曲、7曲目。「116th And Lenox」。マクリーン自身の作曲です。


ちょっとだけファンキーな感じもするメロディーの演奏ですが、この曲でも、サックスとリズムセクションの連携は好調です。


アルバムの最後を飾るにふさわしい、ちょっと肩の力が抜けたというか、ある意味、男の哀愁が漂うというか、いい構成だと思います。


アドリブも、自身の曲だけあって、知り尽くしているのか、余裕すら感じられる演奏です。


そして、ピアノソロ。実に、いろいろな意味でバランスのとれた、それでいてオリジナリティを有する、いい演奏です。


今度は、ベースソロ。ピアノ、ドラムスが絡んでくるのを楽しんでいるような、演奏者にしかわからない楽しみを感じながら演奏しているのだろうな、などと想像の膨らむソロです。


再び、サックスが戻ります。アドリブが最高です。


それから、冒頭と同じように、まるで、サックスとリズムセクションの掛け合いのようなサビの演奏になります。


エンディングを迎えて、本作は終了します。


いかがだったでしょうか?とにかく、楽しいし、すっきりするし、ジャズの勉強にもなる三拍子揃った、非常に良いアルバムですので、是非、お聴きになってみてください。


あと、途中で「ヘッドホン」という単語が登場しましたが、いろいろな都合上、スピーカーで音量を上げられなくなったので、ヘッドホンを買ったのですが、何度かのトライアルと、結構な出費(笑)の挙句、ようやく、私が理想とするヘッドホンにたどり着きましたので、折角ですから、ご紹介させて下さい。


ゼンハイザーという、ドイツではナンバー1、世界的にもブランド力があるヘッドホンメーカーのモニター用ヘッドホンの最上位機種です。


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モデル名は、「HD380PRO」です。いろいろ調べて、国産メーカーの業務用モニターヘッドホンも勧められたのですが、業務用なので保証が一切ないとのことで、2年保証の付くゼンハイザー(SENHEISER)に惹かれました。そして、店頭で試聴して、聴き比べしたところ、解像度も、音質も、耳がすっぽりと収まる感じも、この機種が一番優れていると、直感的に分かりました。


コードもいざとなれば、それだけ交換できますし、散々調べて、店頭にも何度も出向いた私のお勧めです。


ただ、いわゆるポータブル用途でのご使用向きというよりは、ヘッドホンでオーディオの音量を上げて、自室でジャズをじっくり聴く、という使い方の方が向いているかと思います。


また、音には好みがあるので、できれば、店頭でのご試聴をされることをお勧め致します。それと、通販で買われる場合、自然故障時の2年保証の適用の際の修理や交換について、お問い合わせをされることを強くお勧め致します。


長くなりましたが、別に回し者ではないので(笑)あしからず。


今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。