さて、今回ご紹介するのは、もう何度もご紹介した、ピアニスト、ビル・エヴァンス(Bill Evans)のアルバム「Alone」です。

タイトルの通り、ピアノソロのアルバムです。

ジャケットはこちら。

Bill Evans Alone/Bill Evans
¥1,442
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(例によって、若干価格の誤差はありますが、詳しくは、上記のリンク先のアマゾンのサイトでご確認ください)

確か、1969年に発表されたアルバムだったと思うのですが、今聴いても、全く、古さを感じさせません。名作です。

エヴァンス・カラー全開の、彼らしい一作です。それでいて、ソロだからと言って、難解な、殻に閉じこもったアルバムかと言うと、全くそんなことはなく、非常に聴き易いアルバムです。(どっちかと言うと、「Conversation with Myself」の方が、自分の世界に浸っている感じが強いと思います)

メロディが一番綺麗なのは、別テイクも入っている、「A Time For Love」だと思います。

しかし、何と言っても、このアルバムで、特に注目すべきは、五曲目の「Never Let Me Go」でしょう。14分近くにわたって、ピアノソロが続くと言うのは、この時代からすると、異例でしょう。それでいて、自分の世界に耽溺している感じも全くなく、非常に聴き易い一曲です。

全体的に、このアルバムは、メロディーの美しさと、すぐれた即興が特徴で、それが、グラミー賞につながったのだと思います。

非常に癒される、静かな、穏やかな一枚です。

Waltz For Debby辺りから、エヴァンスに入るのもいいでしょうし、常道でしょうが、まだ、エヴァンスのアルバムをお持ちでない方は、このアルバムから入るというのも、ジャズピアノの美しさ、芸術性の奥深さを知るという意味で、いいかもしれません。

ちなみに、以前ご紹介した(11月11日)「The Solo Sessions Vol1,2」とは、同じピアノソロでも、全く傾向が違うので、聴き比べてみるのも面白いかと思います。

聴いてみて、損はありません。グラミー賞を取ったのも、「さもありなん」と思わせてくれる、秀逸の一枚です。

今回も最後までお付き合い頂き、有難うございました。