さて、今回ご紹介するのは、「スムースジャズ」のアルバムです。「スムースジャズ」というと、「聴き心地の良い新しいジャズ」「イージーリスニングの発展した、本格派(?)」・・いろいろな定義がありますが、「フュージョンが独自の進化を遂げて、コンテンポラリー・ジャズの一角をなす、現代的で、聴き易い(従来のジャズと比べて)ジャズになったもの」とでも、定義しておきましょう。

その、スムースジャズ界の巨匠ギタリスト、チャック・ローブ(Chuck Loeb)の、最新作をご紹介しようと思うのですが、この方、いわゆるジャズでも、充分通用するようで、小曽根真さんの番組で、小曽根さんがボストンでチャックに声をかけられた時の話をしていました。

安易に流れて、商業化(Commercialized)された、亜流の作品も少なくないことから、スムースジャズへの評価が分かれていることも確かなのですが、決して、駄作ばかりなんかではなく、旧来のジャズにはないフィーリングを感じさせてくれる傑作も、少なくないですよ。

では、ジャケットは、こちら。タイトルは「Between 2 Worlds」
Between 2 Worlds/Chuck Loeb
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ただ、スムース・ジャズの特徴として、BGMとして流す分には、アルバム単位で聴けるものの、一曲ずつ聴きこむとなると、「名曲」が限られてくると言うところがありますね。(私の個人的な見解ですが)

このアルバムの場合、四曲目のアルバム同タイトル曲「Between 2 Worlds」が、「スムース」という定義には、もっとも適っています。ボリューム控えめのヴォーカルもいいですし。

もっとも、このアルバムを聴かれて、「この曲が最もクールで、スムースだ。」と感じるのは、聴く人によるでしょうから、聴く前から、決めつけてはいけませんね。

四曲目以外にも、スーパスターユニット「Fourplay」を彷彿とさせる、ギターテクニックが冴えわたっている曲もたくさんありますし、とにかく、BGMとしては、最適です。

ジャズ本流のアルバムを、ボリュームを上げて、音を一つ一つ拾って、聴きこむタイプのジャズファンの方には、スムースジャズが不向きな場合もあることは、私も、想像はつきます。しかし、アメリカでは、もう、ビッグジャンルの一つとして、定着しているということも、また事実なのです。

七曲目の「So Tinha De Que Ser Com Voce」は、Carmen Cuestaという女性ヴォーカルをフィーチャリングしていますが、ボサノヴァチックで、洒落た一曲で、大人の曲、という感じです。近年のジャズのラテンへの傾斜が、ここにも、見てとれます。

とにかく、ギターが精確で、音が綺麗です。「Fourplay」がお好きな方には、お勧めの一枚です。全体的に、かなり抑制的で、静かで、物思いにふけるにも、ドライブにも、最高の一枚だと思います。

今日は、更新が遅れましたが、最後までお読み頂き、有難うございました。