さて、今日はメジャーリーグ流に言うと、ダブルヘッダーになりました。マイルスに続いて、ビル・エヴァンス(Bill Evans)のアルバムのご紹介です。


このアルバムは、ジャズを全く聴いたことのない従姉妹に、「聴きやすい」だろうな、と思って、プレゼントしたアルバムなのですが、そう、ビル・エヴァンスと言えばまずはこれ、「Waltz for Debby」です。


Waltz for Debby
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ジャズのラジオでも、リクエストが非常に多いらしく、本作が日本で特に好まれているようです。


一曲目の「My Foolish Heart」の出だしを聴いただけでも、夢の世界にいざなってくれるような気分になります。


いわゆるリバーサイド三部作の一つで、ビル・エヴァンスのアルバムの中で、一般的には、最も有名なアルバムでしょう。


ベーシストのスコット・ラファロが参加していて、「インタープレイ」という、新しいジャズの技法を編み出した、記念すべき一作で、とにかく、「癒し系」」の代表格とも言うべきアルバムです。


このアルバムは、ライブ盤なのですが、ハマっているひとは、観客の声の入り方が異なるバージョンを三つくらい持っていたりするそうです。


最後の方で、いいところで、大笑いする女性の声が入っているのですが、さすがに私もこれには、「おいおい、あんたね」と言いたくなるほどです。まあ、その声も含めて、不朽の名作「Waltz For Debby」な訳ですが・・・。


「ベーシー」の客/村松 友視
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一ノ関のジャズ喫茶「ベーシー」をモデルにした、村松 友視さんの小説、「ベーシーの客」によると、リクエストを基本的には受け付けないマスターは、「よほどの美人が訪れた時か(今では稀だがー原文より)、理想的なJazzyな空間が実現して、満足したときしか(注:ややうろ覚えなので、多少ニュアンスが違ったらすいません)この、Waltz For Debbyをかけることはなく、稀である」と書いてあった記憶があります。


私は、ベーシーには、2回しか行ったことはないのですが、なんと、そのうち一回は「Waltz for Debby」が最後にかかりました(!)これは、本当に、一生忘れない大事な記憶です。(私がJazzy な空間に寄与したかどうかは分からないので、勝手な思い込みかもしれませんが)。もう一度は、ベーシーの名前の由来でもある、カウント・ベーシー(Count Basie)の「Count On the Coast」がかかって、マスターがドラムスティックを握って、くるくるとスティックを回してみたりしながら、レコードに合わせて、実に自然な感じで、ドラムをたたき始めて、たまげましたが、お客さんがどっと来て、コーヒーの注文に追われざるを得ないマスターが、演奏を中止したのが、悔やまれることです。


さて、本題に戻りますが、ビル・エヴァンスの独自の和音の響きは、当時、採譜しても分からず、「どうやったら、あんな和音が出せるんだ?」と、皆、不思議というか、真似をしようにも、真似が出来なかったそうです。


それだけのテクニックを持ってして、ジャズの入門でもあり、最終到達点でもある、最も美しいアルバムを遺した、エヴァンスに敬意を表して、今日のブログを終えたいと思います。


今日も、最後まで、お読み頂き、有り難うございました。