AORというと、何のことか分からない方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、Adult Oriented Rock の頭文字をとった略称だと思っていました。でも、ネットで調べたら、正しくは、Audio Oriented Rock の略称だそうで、Adult Oriented Rock というのは、シカゴ(Chicago)やTOTO,そして今日取り上げるボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)

などが流行った後に、和製英語として作られたものだそうです。(出典:ウィキペディア)私と同じ勘違いをなさっていた方もいらっしゃると思いますし、AORは確かに大人向けの穏やかなロックという感じは確かにするので、和製英語の解釈のほうも捨てがたいと思うのですが・・。


さて、前置きが長くなりましたが、今日、ご紹介するアルバムは、「We're All Alone」なのヒット曲で大変有名なボズ・スキャッグスのアルバム「But Beautiful -

Standards.Vol1」です。


このアルバムは、私の解釈ですが、多くのジャズナンバーを取り上げており、曲調もほとんどジャズなので、ジャズ(もしくは先日ご紹介したスムースジャズ)のアルバムとしてご紹介して差し支えないと思うのですが、ボズ・スキャッグスがロック畑の人なので、一応、ジャンル名は「ロック」となっているケースもあります。しかし、ジャズがお好きな方が聴いても、絶対がっかりしないと思います。彼のAORで培ったセンスが、ジャズのスタンダードナンバーの数々の演奏に、十分に活かされている、すばらしいアルバムですから。


私とこのアルバムの出会いは、深夜のFMラジオで、アメリカ人(英国人?)のパーソナリティが、割とジャズとかスムースジャズをかけていたのを聴いていて、この曲がかかって「おお、このセンスの良さは一体何というアルバムなんだ?」と、名曲に出会ったときの感動を覚えた、というものです。(鳥肌が立った、という表現は、賛否両論なので、敢えて避けますが、いいほうの意味で、当たってます)


結局、「How Long Has This been Going On?」という曲名が紹介され、アルバム名も分かって、即買いました。


とにかく、昨日ご紹介した、「Take Love Easy」と共通して、アルバムコンセプトが一貫していて、がっかりさせられる曲や、「この曲だけは気に入らない」ということが少ないだろうと思うのが、このアルバムです。


それで、「How Long Has This been Going On?」の歌詞に、「僕が君に出会って、コロンブスが新世界(アメリカ)を発見した時の気持ちが分かる」という歌詞があるのですが、その「新世界の発見」という部分は「Finding another world」となっています。

聴いている分には分かりやすい表現ですし、日本人にはなんてことない表現なのですが、アメリカのネイティブ・インディアンの方はどう思われるでしょうか?

「新世界」という表現は、明らかに、西洋の視点からのものですし、一時期論議を呼んだPolitically Correct(差別を含む言葉をなくしていこうというムーブメント)からすると、問題がなくもない気がします。(例:アメリカの黒人の方は、「African American」(アフリカ出身のアメリカ人))


まあ、そんな細かいことはさておき、とにかく、異業種混合の結果として生まれた本作は、最高の出来です。是非、一度、お聴きになることをお勧めします。「ジャズはちょっと・・」という方にもお勧めです!


本日も、長い文章にお付き合い頂き、有り難う御座いました!

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