韓国のテレビドラマ「IRIS(アイリス)2」の県内ロケが24日夜、大仙市で始まった。2009年、県内でロケが行われた前作が韓国で大ヒットし、韓国人観光客の来県が急増。県と秋田市など8市町は今回、“アイリス効果”の再来を期待し、総額約8330万円の県内ロケ支援金を用意した。一部で疑問の声もある費用対効果は、今春以降、はっきりしそうだ。(大郷秀爾、津田知子)

 県観光振興課によると、昨年12月、監督ら撮影スタッフ約20人が県内を訪れ、シナリオのイメージに沿ったロケ地を確認。制作会社の代表ら約50人の撮影隊が今月24日に来県し、既に来県していたスタッフ十数人と合流し、撮影を始めた。2月4日まで県内各地で撮影する予定だが、制作会社側はファンの殺到による混乱を避けるため、具体的なロケ地や撮影日程は公表していない。

 ドラマは全20回で、韓国では2月13日から週2回放映される。主演は前作のイ・ビョンホンさんとキム・テヒさんから、韓国のテレビドラマ時代劇「チュノ」で人気を博したチャン・ヒョクさんとイ・ダへさんに代わった。昨年11月から韓国などで撮影し、日本でのロケは秋田だけの予定だ。日本での放映は未定。

 前作は09年3月に県内で撮影され、韓国での放送後、韓国人観光客が増加。秋田―ソウル線の利用者は10年、過去最多の4万463人で、このうち韓国人が前年比約60%増の2万3370人を占めた。だが、東日本大震災での福島第一原発事故による風評被害などで、韓国人観光客は大きく減った。

 こうしたなか、佐竹知事は11年秋の訪韓時、制作会社に続編の制作にあたり、再び県内での撮影を求めるなど、県などが誘致を進めてきた。

 県は昨年、19市町村などと「韓国ドラマ秋田サポート委員会」を組織。先月、制作会社への制作協力費に充てる負担金などロケ支援費3824万円を予算化した。秋田市など8市町も、同様の支援費を準備。湯沢市も近く予算化する方針だ。

 前作で飲食店や横手城などでの撮影で協力した横手市は昨年5月、韓国の制作会社や旅行会社を巡る県のPR活動に市職員を同行させ、横手をアピール。今回、ロケ支援費約1200万円を用意した。今月17日には市観光連盟や横手署、市内の宿泊施設など28機関・団体で「韓国ドラマ横手サポート委員会」を結成。市内でのロケを急きょ要請されても対応できる態勢を整えた。

 市観光物産課の加賀谷秀昭課長は「以前の経験から、撮影には急な日程変更があるものと思っている。韓国での露出を上げて、横手の認知度を上げたい」と期待する。

 市観光連盟の奥山和彦会長は「韓国人だけでなく日本人も横手に来てくれるかも知れない。大勢来る事に期待して、ロケ地を巡るツアーなど、町をにぎやかにできることをやっていきたい」と様々な観光構想を練り始めている。

 一方、横手市の飲食業の男性(40)は「前回の主演は有名だったが、今回は名前を聞いても分からない。前回ほどの経済効果を期待できるだろうか」と疑問を呈した。


(2013年1月27日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20130126-OYT8T00947.htm