「思ったとおり」とはいえ

しばし黙り込んで、日本酒を口にした。

 

この一年間は、なんだったのか。

 

思っていたことが、現実になった。

 

矢野監督は常日頃。

「育てながら勝つ」

「勝ちながら育てる」と言ってた。

 

しかし。

下は育ったが

上は育たなかった。

 

レギュラー陣は育たなかった。

 

それは「下を育てた」がための

「足かせ」ではなかったかと。

 

二兎を追う者は一兎をも得ず。

 

これが今季の矢野阪神。

 

 

つまりはムシが良すぎた。

矢野監督のチーム構想は

分不相応の、身の程知らずだった。

 

この新しいスタイルに

阪神の戦いぶりは

カラっとしていた。

 

ショックは尾を引かない代わりに。

失敗をカテにして、その経験を

積み上げるカンジもしなかった。

 

それは新しい朝が来るように。

昨日は昨日、今日は今日。

毎日リフレッシュしているだけに映った。

 

それはペナントレースというより

毎日が研修期間のような過ごし方。

 

勝つことへの

「すべて」が足りなかったのは

初めからそんな野球だったからよ。

 

「育てながら・・・」なんて言うことで

本来的な目標をボヤかして来たのでは。

 

「勝つ」ことから逃げて来た。

毎日、責任の圧力を感じぬように

開放感で野球を楽しもうとしたのでは。

 

たしかに

戦績の「数値」は立派だった。

 

しかしファンの印象は違った。

 

人間は「数値」だけでは

満足しない生きものではないか。

 

そこにこそ、矢野野球の

隠れた真骨頂(実態)があると思う。

 

「育てる」とは言っても

いったい誰が、どう育ったというのか。

 

活躍が長続きしなかったのは、むしろ

「育成の失敗」を意味するのではないか。

 

監督が抽象的では困るのだ。

監督は具体的でなきゃ困るのだ。

 

例えば今季。

最強のローテーションを創るとか。

投手王国を創るとか。

 

坂本捕手を中心とした

失点の少ない守りの野球をするだとか。

 

そんな野球をするためには

誰が必要で

誰が必要でないのか。

それを今すぐ書くべきだ。

 

監督の

本来的な仕事は「そこ!」のはず。

 

**

やはり今季も

課題は「守備」でした。

そして「バント」も出来なかった。

 

守備とバント。

野球の基本を疎かにして

打撃偏重のチームづくり。

 

これって、よく高校野球が

7月にナントカ間に合わせる

「インスタント仕立て」ってやつ。

 

こんな野球で優勝したら

お天道様に申し訳が立たんよ。

 

だからバチが当たったんよ。

 

矢野ちゃんが仁王立ちして

先生ヅラしてしゃべる姿に

「ちがうだろ」って。


今日も試合は見れなかったけど。

最後に言わせてもらおう。

 

監督の本分を

忘れてんじゃないのか。