富士山登山#2 | おやじ劇場(wedia-t.com)

富士山登山#2

山に登ると言う事は実は下る事でもあるのです。

苦労をして登り素晴らしいご来光を拝み、悔しさと達成感を胸にさて下りましょう。

ご存知でしょうが、登りとは違う辛さが下りにはあります。
そう、”膝”が笑うのです。過去にその経験があるので慎重に降りだしました。

山道はZラインです。これは登りも下りも同じです。少し下りだして気ずきました。
延々続くそのラインが上から見えてしまうのです。登っている時はひたすら目の前を見つめて先など見えませんでした。だからコツコツと歩けるのでしょう。

.................が、これを下って行くのーーー!!(膝がもつかな!?)

実はオヤジには肉体的な3点セットがあります。
「右膝の痛み」
「股関節の痛み」
「腰痛」

これを抱えながらの下り道。非常に不安になってきました。そこで息子に
「ゆっくり休み休み行こうな」
「えーーー 一気に下ったほうが楽じゃない」
「いやいや、膝に負担がかかるからゆっくりとだ」

こうして息子に引っ張られるように転がるように下りました。

行けども行けどもそのZラインは続きます。休憩の間隔も次第に短くなってきました。

「とうちゃん、このラインは休憩無しで行くよ」
「いや、休もう」
「今休んだばっかりじゃん! 行くよ!!」
「う、わかった」

下りの道には山小屋も売店も何もありません。水筒の水も底をつきました。
恵みの暖かさが次第に暑さに変わってきました。土ぼこりもかなりひどい状態です。

「水も無くなったけど大丈夫か?」
「あ、僕もってるよ」
「えーー おまえ飲んでなかったの?」
「父ちゃんの飲んでた」

こうして下半身の痛みに耐えながら下り7合目に着た時にベテランさんから提案がありました。
「荷物少し出しなさいよ」「持ちますから」
「え、大丈夫ですよ」
「いや、俺のリュックは軽いから」
「大丈夫ですって」

その言葉も終わらないうちにオヤジのリュックからサクサクと取り出し詰め替えてしまいました。情けないやら、ありがたいやら。


だいぶ下ってきて頭の痛みは無くなるかと思ったらそれが取れません。
ん、なんか違うな。そういえば喉も痛いな。どうやら夕べの寒さで風邪をひいたようです。

最後のZラインが終わった時その向こうに見えたものは...............

下り坂.下り坂.下り坂.........
(もういいよ!!)

昨日登り始めた記憶がよみがえってきました。あれを降りて行くのか。
しんどいな、でも弱気な事を息子に言えないしな。

それでもいよいよゴールがイメージ出来てきました。あれを下りあそこを降りればそこがゴールだぞ。そう言い聞かせひたすら歩を進めついに登山道の出口(入り口)にたどりつきました。


そこにはなだらかなスロープがありました。昨日来た道です。
ん、こんなに長い登り道だった?そう言えばルンルンと下ってた気がする。

長い、長い上り道、これって”いじめ”そんな気分で売店でソフトクリームを買う事だけを思い、やっと全行程の終了となりました。

ソフトクリームってこんなに美味しかったっけ?人生の中で忘れられない味になりました。


下りは3時間半ほどの行程でした。見上げればそこに昨日と変わらず富士山がいます。
あそこに登り、あそこから降りてきたんだな。ヘタレたり情けなく思ったりしたけど、充実感はあります。

そんな感慨にふけり、ふと息子を見ると友達に買うお土産を探してます。こいつ強いのか逞しいのか....少し嬉しく感じました。


当初の企画は達成出来ませんでしたし、宿題も残してしまいました。
次回に必ずとの強い想いを胸に富士山を後にしました。


人生をよく山登りに例えますが今回の経験で改めてその意味が分かりました。
自分の人生を振り返り今回の山登りにまさに象徴されているなと思います。

頂上まではたどり着かず、それでも間もなく下り坂に差し掛かり、もがいてる自分がいる。

若さを武器に勢いで登る前半戦、失敗もあるけど目標に向かい突き進んでいける。
登りより難しいと言われる下り坂をこれから経験していくオヤジ。

いままでの経験とより慎重な姿勢で望む大切さを少し学べたかと思います。


「なぜ人は山に登るのか?」

「そこに苦労があり、その先に喜びがあるから」


こんな事を感じました。人間は楽な事を選ぶ生き物ですが、それだけでは満足出来ない生き物でもあると思います。

日々の生活、勉強、仕事、全て楽なだけでは成り立たず苦労があってこそ喜びも増えるのだと思います。こんな単純な事も忘れてしまうのもまた人間でしょうか。

日本人たるもの一度は富士山へ登るべきであるなどと言われますが(言われない?)、その美しさや物理的な高さも含め”気ずき”の場として最適なのではないでしょうか?


2回に渡り書いてきた「富士山登山」。多少デフォルメしてる部分も正直あります。
普通の体力があればそんなに難しい事でもないとも感じました。

是非、チャンスを作り挑戦する事をお勧めします。特に普段忙しくなかなか子供とコミュニケーションの取れない全国のおやじ達へ!!

但し、準備をして行かないと更におやじのラベルを下げる事になるのでご注意を!!


今週の予定

ていうか、もうあと1日しかない(夏休み迄)
今年も終わりそうにないぞーーーー

確認ですが夏休みって13日から?(会社的には10日からです)
来年こそずらした夏休み体制にします。
STAFFも含め倒れそうです。