富士山登山#1 | おやじ劇場(wedia-t.com)

富士山登山#1

2年越しの計画をついに実行してきました。

結論から言えば、頂上まであと300メーターの所での素晴らしいご来光を拝む事になりました。


以前このブログにも書きましたが舎弟の子分の
「頂上でWEDIAのTシャツを着て写真を撮りH.Pにアップしましょう!」

この一言でスタートした企画(?)でした。当然この為には最低でも6名の参加者が必要になります。

今回この人数は確保していよいよ決行の数日前1人消え1人消え、結局4名でのチャレンジとなりました。

アルプスにも登るような専門家のおじさんを除けば、ある意味登山をなめた3人です。
オヤジはご存知のとうりの生活をしている駄目おやじだし、子分はそれに輪をかけたような男だし、
息子も中学生ではありますが、今時のガキでゲーム三昧の日々です。

日頃の行いのせいもなく、快晴で絶好の登山日和となりました。5合目に着き目の前の頂きを見た時
「なんかパー―ト、登れそうな気もしますね」
「んーーん。登ってみれば分かりますよ」  (ベテランの一言)

天気もいいせいか3人のテンションはこの時点ではかなり上がってました。
(この8時間後に来る地獄を知る由もない)


休憩後(気圧に慣れる為でもあるそうです)食事をとり(もう少しなんとかならないかな.....)
いよいよ登山の開始です。

なだらかなスロープの様な道を眼下に雲海を眺め歩いてスタートしました。
(このスロープも一夜明けた時は鬼に思えます)


この時点で3人は楽天的です。
「こんなもんですか?」
「いや、まだスタートしてませんよ」

5分後登山道の入り口を入ってやっと事の重大さを認識しました。

「結構、登りきついですね。こんな感じですか?」
「いや、ここは楽なほうですよ」

それでも6合目まではハイキング気分で雲海の素晴らしさや夕日に染まる雲の色を見て
「凄いなこの色。シアンがどう表現出来るかな」
「いや、この色をシルクでするのは限界があるよ」

こんな会話でした。オヤジもいつにも増してプチ知識のオンパレード状態です。
携帯も繋がるので下界の人々に優越感を持って連絡してました。


さて、暗闇も広がり町の明かりと星の煌めきが輝きを増してきた頃様子が変化してきました。

当初より感じてたのですが、頭がふらつき痛いのです。平行感覚もずっとおかしいのです。
”高山病”です。事前に知識として分かってましたし、ベテランさんからも何度も言われてました。

慣れるものだと思いそれほど気にもせず、7合目の崖を登ってました。
この時期ピークだそうで竹下道りのようです。すごい数の人々がもくもくと登っています。
まさに老若男女だし、オヤジの音声認識範囲によると6カ国の外国の方もいらしてました。

なんとか7合目を制覇して8合目に辿り着いた頃、気温も急激に下がってきた気がします。
パーカーを着込み休憩をして、ゼーゼー言ってる所にドタキャンをした舎弟から連絡がありました。

「どうっすか?」
「8合目だよ!」
「早いっすね」
「それどこじゃな.....」

「親父、結構きてるみたいですよ」  (息子が代わりに会話してくれました)


8合目はあまり記憶がありません。とにかく頭が痛く体が重いのです。
無駄な体力と気力には自信があるオヤジは弱音は吐きません。

「大丈夫ですか? きつそうですね?」
「大丈夫だよ!! 行きますよ」
「無理は禁物ですからね。無理そうだと思ったら早めに言ってくださいね」
「分かりました。息子は大丈夫か?」
「うん、平気だよ」

この時点で一番へたれてたのはオヤジです。8合目は行けども行けども8合目です。
一番長いそうです。

(人はなぜ山に登るのだろう?)
(そこに山があるからかなーー)

こんなつぶやきを最後に言葉も出なくなりました。


なんとか、なんとか9合目にたどり着き休憩をしている時ベテランさんから
「あと少しです。ほらあそこに見える上の光が頂上です」

ヘッドライトの光の「Zライン」を数えたら5ラインありました。
まず浮かんでこない「無理」の文字が頭によぎりました。その時息子が

「頭痛いんだけど」
「やめましょうか」 (子分の声)
「そうだね。ここでご来光まで待ちましょう」 (ベテランさんの声)


2時間後

ビニールシートにくるまれた親子がそこにいました。
寒い!寒い!寒い! 

手がしびれます。何が起きたか理解しました。窪みに転び込み寝てしまったのです。
息子を見ると震えてます。瞬間”やばい”と感じ行動しました。

なにか防寒する方法はないか?そうだおじいちゃんから借りたカッパが使ってない。
慌てて大きなそれを着せてビニールシートをずれないようにするのが精一杯でした。

この時大げさでなく”死”の恐怖を感じました。たまたまこの日は風もなく穏やかな夜だったので幸いなのだろうと震えながら感じました。

よくニュースで遭難の話を聞きますが、こんな油断が引き起こすのだろうなと反省を込めて考えてひたすら震えてご来光を待ってました。

4時半過ぎ少しずつ明るくなり、目の前の一点がなんとも言えない色に染め上げられていきます。

これは言葉では表現できませんし、映像でも限界があるでしょう。これを見る、いや体験する為に人はこんな苦労をするのかもしれません。

そして4時50分ついに太陽が顔をだしました。頂上から歓声が聞こえてきます。
実はここに少しだけ誤差があるのです。たった300メーターの差なのに頂上の人は我々より少しだけその顔を見れるのが早いのです。

悔しかったです。でもそんな事より今は太陽のありがたさと素晴らしさに感動です。
息子に思わず言いました。
「太陽を拝め!そして感謝しろ!」
「なんで?」
「理由はない!.....だって暖かいだろ」
「うん」

こうして初ご来光を無事に(?)拝める事が出来ました。


さーーて、どんな形でも登ったものは下らなければなりません。
下りの顛末と今回の登山で感じた事は第2回目にしたいと思います。
ここまででも充分長いのでこれ以上はねーーー


最近のトピックス

色々ありますねーー
とりあえずI-phoneはget出来ました。

使えてません。勉強したり聞いたりする時間もありません。現在のところとても良いI-podです。
何か問題でも?