こんにちは。

母の短歌にようこそ。

 

ここ数年、コロナ禍で夏の花火大会も自粛され、なんとなく寂しい思いをしてきましたが、今年は各地で花火大会が催されているようですね。

 

母の住んでいた街でも、毎年8月に浜辺で花火大会が開かれておりました。

小さい街ですので、それほど大掛かりな花火大会ではありませんが、やはり、皆、花火大会の日はなんとなく心が浮き立ち、日が暮れるのを待ちわびて、夜になると海岸へと足を運びました。

 

 

そこで今日は母の「花火」に因んだ歌を中心に紹介させて頂きたいと思います。

 

 

 

 

寄る波の

遠き音を

聞きながら

暮れなづむ浜に

花火待ちをり

 

 

 

 

 

砂浜を

埋むる人の

群れにいて

花火見上ぐる

ひとときを待つ

 

 

 

 

 

 

歩くこと

危ぶまれつつ

来し浜は

花火大きく

目の前にあり

 

母が80歳を超え、歩行もやや困難になり、兄姉に付き添われ花火大会を見に行った時の歌です。

夜空に輝く大輪の花に感動とときめきを感じている様子が伺えます。

 

 

 

浜辺より

続きて帰る

群におり

花火の硝煙

未だ残れる

 

 

 

 

 

家近くの

道端に出て

遠花火

夫と見たるも

幻となり

 

父が存命の時、高齢になった二人は家の近くの道端に出て、遠花火を見ていたようです。

 

 

 

 

 

はじけ散る

線香花火の

消えし闇

遠くかすかに

海鳴り聞こゆ

 

 

 

 

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花火から離れます。(^^)

 

 

 

 

海中の

魚の見ゆるや

風に乗り

流るるごとく

かもめ群れ飛ぶ

 

母、70歳。

 

 

目を閉じて

庭の祠に

参るとき

小鳥の囀り

だけが聞こゆる

 

母、80歳代。

 

 

今日も最後迄お読み下さり、有難うございました。

 

*写真はお借りしたものを使わせて頂いております。

 

 

 

追記

 

先日、母の三回忌法要に参列したのですが、その帰省の際、母の家で見つけた短歌メモの中に以下の歌があり、涙を流しつつも嬉しく、又、笑ってしまいました。

 

 

三々九度の

盃のあとに

にじみくる

涙拭く娘(こ)よ

化粧落とすな

 

私の婚礼の時の歌は以前投稿させて頂きましたが、もしお時間がございましたら、ご一読下さい。