2020.9.26

 

 だいぶ以前から高校の同窓会活動の世話をする人が少なくなってきており、そこに目を付けた企業が同窓生名簿作成や同窓会パーティーの準備等を受け負うビジネスが拡大、進化しているようだ。

 そんな同窓会活動支援会社の一つ、姫路に本社のある「サラト」という会社が15年ほど前に始めたビジネス・モデルがなかなかユニークだ。

 同窓会組織と連携し母校の女子制服をリカちゃんに着せた人形を制作し、卒業生に販売するというものだ。

   同社HP に記載されているキャッチ・コピーはこんな文章。

    【引用開始】

世代を超えてみんなから愛される「リカちゃん」が母校の生徒に大変身。
青春時代の思い出に、受験のお守りに、親子のコミュニケーションツールに、使い方はいろいろ。
親から子へ、子から孫へ、母校の思い出と伝統を次世代に受け継ぐ、
そんな母校の「制服オリジナルリカちゃん」をみなさんも作ってみませんか?

    【引用終了】

 

学校によって少し差はあるが、価格は7千円程度、制作数は2千体ぐらい。

全部売れれば、1400万円の売上高になるので、けっこうなビジネスといえるだろう。

既に40を超える高校同窓会がこのかわいいお人形を制作しているとのこと。

それだけの異なった制服を着せられたリカちゃんも大忙しだ。

 

ところで、いわゆる「セーラー服」を女子が着るのは明らかにおかしい。

このデザインは文字通り海軍の水兵の制服に由来するものだからだ。

 

現在でも海上自衛隊の下級隊員はセーラー服姿で乗艦勤務をしている。

舞鶴には海上自衛隊の基地があり、教育期間の若い隊員は休日の外出もセーラー服姿。

何回か間近で見たことがあるが、ほれぼれするほど凛々しく爽やかであった。

ちなみに数少ない海上自衛隊女性隊員の制服はセーラー服ではない。多分、これが正しい在り方なのであろう。

 

私は、男子の制服にセーラー服デザインを取り入れる学校があってもよいのでは、と思っているのだが、そんな学校の存在を寡聞にして知らない。残念なことである。

 

 

【注】

「リカちゃん」について

  本名は「香山リカ」(同名の精神科医はこの人形のファンで、それを芸名にしたとのこと)

 

  ウィキペディア 解説記事 から

 【引用開始】

1966年、元々ダッコちゃん等のビニール玩具のメーカーだったタカラ(旧タカラビニール - 1966年)は、そのビニール加工のノウハウを生かして着せ替え人形市場への参入を計画していた。当初は米マテル社のバービーや、米旧アイデアル社のタミー等の他社の着せ替え人形用の、子供が持ち運びできるドールハウスを企画していたが、既存の人形のサイズに合わせると、ハウス自体のサイズが相当大きくなることが予想された。これが日本の住宅事情や子供の持ち運びに適さないとして根本的に企画が見直され、日本の事情に見合った大きさのドールハウスと、それに合ったサイズの独自の着せ替え人形として1967年に企画・開発されたものが本項のリカちゃんである。

企画にあたり、日本の少女たちがより身近に感じられるようなファッションドールというテーマが掲げられ、小学生という設定と、小さな女の子の手の平の中に収まる身長21cmという大きさと、当時流行していた少女漫画ヒロインのような顔立ちが採用された。漫画家の牧美也子が発売当時の広告のイラストを担当し、広告には「牧先生監修」という表記がされていた[2]。「リカちゃん」という名前は月刊少女漫画雑誌りぼん」の1967年7月号誌上の一般公募で決定されたことになっているが、実際には発表号をずらして、読者でなくタカラ側が命名した[3]。日本人でも外国人でも通用する名前をということでリカとなった[2]

親しみやすい仕様が日本の子供に受け入れられたことと、マテル社が生産拠点を他国に移して日本でのバービーの販売に力を入れなくなったという市場の追い風を受け、発売から2年後の1969年には日本での売り上げでリカちゃんがバービーを上回った。その年の年末商戦でも他の人形を圧倒し、それ以降、事実上日本の着せ替え人形の女王として君臨しはじめる。それ以前に売上トップを飾った着せ替え人形は、中嶋製作所(現ナカジマコーポレーション)の「スカーレットちゃん」とアイデアル社の「タミーちゃん」だった。

その後何度か売上が低迷した時期もあった。1993年から1995年まではバンダイの「セーラームーン人形」の売上が単年度でリカちゃんの売上を上回るものの、1996年には再び着せ替え人形売上のトップに返り咲く。

現在の日本でも「着せ替え人形のリカちゃん」の認知は極めて高い。あまり人形に詳しくない人が他社の着せ替え人形も全て「リカちゃん」とひとくくりにしてしまうこともあるほどで、日本における着せ替え人形の代名詞と化している。その高い認知から旧タカラ時代から現在のタカラトミーに至るまで、リカちゃんはメーカーのコーポレートアイデンティティ的キャラクターに位置付けられ、広報・宣伝の顔の1つとなっている。また、可愛らしく親しみやすく家庭的なキャラクターイメージから、多くの企業や公共機関のCMキャラクターとして採用されている。

「香山リカ(商標の称呼はカヤマリカチャン、カヤマリカ、コーヤマリカ)」という設定上の本名をタカラが1999年3月9日に商標出願した際「同名の精神科医香山リカの承諾を得られていない」という理由で一度拒絶されたが、タカラが不服を申し立てた結果、精神科医香山リカの筆名の方が本商品に因んでいることが認められ、翌年9月21日、無事出願が受け付けられた。