昨季、38試合で14ポイントしか落とさず、勝ち点100で宿敵バルサを抑えてリーグを制したレア
ル。昨季3位のバレンシアとの開幕戦では9分、ディマリアの浮き球パスに抜け出したイグアイン
がGKと一対一となると、シュートは2度にわたってGKに阻まれるも、3度目のシュートでゴールに
ねじ込み、幸先よく先制に成功する。だが、前半終了間際の41分、FKからジョナスのヘディングで
同点とされてしまうと、さらにこの場面でGKカシーリャスとペペが衝突し、ぺぺがハーフタイムで交
代となるアクシデントも発生。なお、クラブは試合後、ぺぺは検査の結果異常はなかったものの、
万全を期して病院で夜を過ごしたと発表している。追い付かれて後半を迎えたレアルは、バレンシ
アを相手に猛攻を続けるものの、バレンシアのGKジエゴ・アウベスが見事なセーブを連発し、追
加点を奪うことができず。結局、後半はスコアが動かず、レアルはペリェグリーノ監督が就任した
新生バレンシア相手にドロースタートとなった。レアルのモウリーニョ監督は試合後の会見で「もっ
と多くを期待していた」とコメント。「勝利には値するだけの内容だったが、素晴らしいプレーではな
かった」と内容に不満を示し、勝利を逃した悔しさを滲ませた。
一方、そのレアルからのタイトル奪還を狙うバルサは、開幕戦からゴールラッシュを見せた。開
始3分にプジョルがCKに合わせて先制すると、9分に同点とされたものの、昨季リーグ戦だけで
50得点を挙げたメッシが11分、15分と立て続けにネットを揺らし瞬く間に突き放す。さらに前半終
了間際の41分にはペドロのボレーで3点差として前半を折り返した。
そして3点リードのまま迎えた74分には、昨年12月に左足を骨折して以来長期離脱していたビ
リャが8カ月ぶりに公式戦のピッチに。ファンからの大声援を受けたビリャは84分、イニエスタから
の折り返しを左足で叩き込み、復帰戦でいきなり結果を残す。これで試合を決めたバルサは、開
幕戦から5点を奪って大勝を収めた。
今季からグアルディオラ前監督のあとを受けてバルサを指揮するビラノバ新監督は試合後、「勝
利でスタートするのは常に重要なことだ。ダビ(・ビリャ)もゴールで復帰したから、完璧な夜だった
ね。とてもうれしいよ」と喜びをあらわにしつつも、「ただ、これはまだ始まりでしかない」と、今後へ
向け気を引き締めた。
そのほかの試合では、昨季のヨーロッパリーグ(以下EL)とスペイン国王杯のファイナリスト、ア
スレティック・ビルバオがホームでベティスに3対5と敗れた。前半に3点を先行されたビルバオ
は、76分までに同点に追い付いたものの、そこからさらに2失点を喫した。一方、昨季のEL王者ア
トレティコ・マドリーは、敵地でレバンテと1対1で引き分けている。先制を許したアトレティコだが、
22分にトゥランが見事なロングシュートを叩き込んで勝ち点1を獲得している。