2日間を通して、トップタイムをマークしたのは、GT500がNo.35 KeePer Kraft SC430、GT300が


No.911 エンドレス TAISAN 911だった。


 曇りがちだった前日とは一転、富士公式テストの2日目は快晴で明けた。コースコンディションは


引き続きドライ。照りつける陽射しのせいで路面温度は見る見る上昇し、セッションが開始された


午前9時にはすでに27℃に達していたがセッションが終了した午前11時過ぎには35℃まで上昇し


ていた。


 セッション開始早々にNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明)が1分34秒1を


マークし、これが最初のターゲットタイムとなる。しかしすぐにNo.6 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤


大輔/大嶋和也)が1分33秒台に入れトップ逆転。No.24 D'station ADVAN GT-R(安田裕信/ビ


ヨン・ビルドハイム)も34秒015でこれに続いた。スタートから30分あまり経ったところでNo.39 石浦


が33秒814まで詰めて2位に進出するとNo.24 安田は33秒764まで短縮しトップ再逆転。さらに


No.6 大嶋も33秒814まで詰め、3台によるベストラップ更新合戦が熱く展開された。そんな矢先、


午前9時42分に、コカ・コーラコーナー先のコース上に落ちていた落下物を回収するために赤旗が


提示され、セッションは5分間中断。そして5分後にセッションが再スタートとなる。中断前の3車に


加えて、No.35 KeePer Kraft SC430(国本雄資/アンドレア・カルダレッリ)とNo.19 WedsSport


ADVAN SC430(荒聖治/アンドレ・クート)も加わり、タイム争いは一層ヒートアップする。だが、僅


か7分後にセッションは再度中断してしまう。自己ベストを更新し、更にタイムアップを目指してい


たNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)が2コーナーを立ち上がったポイントでスポ


ンジバリアにクラッシュしコースサイドのアウト側にマシンを停めてしまったのだ。幸い、ドライブし


ていた伊沢拓也は大きな怪我もなく無事だったが、マシンはリア部分を大破。残念ながら彼らの


テストはここで終了となった。10時15分にセッションが再開されると、アタック合戦も再びヒートアッ


プ。No.35 カルダレッリがここで、1分32秒961と、とうとう33秒の壁を破ってトップに立った。コース


レコード(1分32秒481)までコンマ5秒。気温や路面温度を考えれば驚くべきスーパーラップだっ


た。直後に、No.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)もタイムアップ


したが1分33秒327で2位に留まった。また全般的にタイムが伸び悩んでいたホンダ勢ではNo.17


KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)が、最後の最後でタイムアップを果たしたが、1分33秒


後半で7番手までアップするのが精一杯だった。


 タイム的にはNo.24 GT-Rの1分34秒031を筆頭に、No38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/


平手晃平)、No.19 SC430と続いた。さらにスポーツランドSUGOでのクラッシュからマシンの修復


を終えたNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が4番手


につけ、ハードワークでマシンを修復させたスタッフの想いに応えた格好となった。


 13台が参加したGT300クラス。午前中のセッションでは先ずNo.2 エヴァンゲリオンRT初号機ア


ップル紫電(高橋一穂/加藤寛規)が、セッション開始早々に1分42秒739をマークし、これがター


ゲットタイムとなる。しかしスタートから15分ほど経ったところでアタックに出たNo.911 エンドレス


TAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝)が、いきなり1分41秒台に入れてトップ逆転。横溝はなおもタ


イムアップし最初の赤旗中断となる前に1分41秒291まで詰めると、二度目の赤旗中断から再ス


タートがきられた直後には、何と41秒の壁をも破って40秒台に入れ、非公式ながらコースレコード


(1分40秒682)を更新する1分40秒452のスーパーラップをマークした。これを良しとして、No.911


は午後の走行をキャンセルした。前戦のSUGOでデビューしたばかりのNo.16 MUGEN CR-Z GT


(武藤英紀/中嶋大祐)も好調にタイムを詰めていき1分41秒149で2番手に。ハイブリッド対決で


話題のNo.31 apr HASEPRO PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀)も1分41秒台に入れ3番手につけ


ていた。しかし、最後の最後にNo.11 GAINER DIXCEL R8 LMS(田中哲也/平中克幸)が2台の


ハイブリッドマシンに割って入った。注目すべきは、鈴鹿1000kmにNo.21 ZENT Audi R8 LMSの助


っ人第3ドライバーとして登録されているリチャード・ライアンで、午前のセッションで5番手につける


と、午後のセッションではNo.3 S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正)に次ぐ2番手タイムを


マーク。GT500での活躍を思い起こさせる快走を見せていた。


 鈴鹿サーキットで行われる真夏のビッグレースと言えばAUTOBACS SUPER GT第5戦


「International Pokka 1000km」だ。今年で41回目という“伝統の一戦”であり、真夏に行われるシ


リーズ最長のレースであるだけに、注目度は高い。そして、今シーズンの折り返しでもあり、チャン


ピオンシップにとても重要な戦いだ。8月18、19日は鈴鹿サーキットから目が離せない!