日本のスターティングメンバーには清武弘嗣、永井謙佑、大津祐樹らが先発に名を連ねた。
試合は序盤からお互いが相手の出方をうかがう慎重な展開。荒れたピッチも影響してか、両チ
ームともにうまくパスをつなげることができない。前半20分過ぎからは徐々に日本がペースを握り
始め、清武や酒井宏樹のシュートなどで韓国ゴールを脅かす。しかし、フィニッシュの精度を欠く
と、38分に一瞬のすきを突かれ、韓国に先制を許す。中盤からドリブルでボールを持ち込んだパ
ク・チュヨンがDFをかわし、豪快にネットを揺らした。日本はこのビハインドを覆すことができず、0
-1で試合を折り返す。
迎えた後半、韓国は自陣に引き、カウンターのチャンスを狙う。すると58分、ゴールキックからパ
ク・チュヨンを経由し、ク・ジャチョルが追加点を奪う。後がなくなった日本は杉本健勇、宇佐美貴史
といった攻撃のカードを投入して反撃を狙うが、韓国の固い守りを崩せず。結局、試合はそのまま
終了し、日本はメダル獲得を逃した。
1本のパスで簡単に得点を取る決定力の高さを見せた韓国に対し、日本は決定機が少なかっ
た。「日本らしさを出せず、苦しい試合になった。韓国はパワー、スピードの面で強かった」と振り
返った東。守りを固めた韓国を崩せず、扇原は「リードされる展開に慣れてなかった。(相手を)前
に引きずり出せなかった」と反省し、清武は「メダルを取れなかったのは自分たちの実力不足」と
自らを責めた。
準決勝メキシコ戦では左太腿負傷を押して奮闘したFW永井は、0―3で敗れた08年のU―19
アジア選手権の雪辱を胸に臨んだが、シュート0に終わり、またもライバルに完敗。「蹴るだけの
サッカーに負けたのは悔しい。落ち着いてつなげば崩せると思っていた」と話し、「自分たちFWが
どんな状況でも点を取れるように成長しないといけない。それが韓国との差だと思う」と今後への
課題を口にした。