「大河ドラマの題字って誰が書くの?」


毎年、結構話題になりますね(書道界隈だけではないと思うが)。


来年の題字は石川九楊氏だそうです。


私が書道展を、会派展・個展を問わず年間300展くらい観て、書評論的なブログをヤフーで展開していた頃、石川九楊氏は新しい理論を押し出している旗手のような存在でした。


また、氏の中核をなすと思われる「筆触論」に感化された若い書家たちがたくさん居て、石川教と言っても過言ではないくらいの影響力を持っていました。


彼等は古典の学習を十二分にしながらも、上田桑鳩や井上有一の作品から刺激を受け、柳宗悦の「民芸論」をも書作品に取り入れようとするなど、非常に精力的に活動していました。


私は書展などで何度か彼等(石川氏から影響を受けた数あるグループのひとつ、学芸大学書道科卒業生を中心にしたグループだったと記憶している)と話をしたが、私の理屈(壁面藝術よりも作品を売れ)にさえ耳を傾け、聞いてくれました。


そんな彼等が、石川九楊氏が大河ドラマの題字を書くと聞いて、どういう感想を抱くのかを知りたいな。


氏の筆触論が大河ドラマの題字を通して一般人の目に晒されるのを行幸とするか、はたまた今までの大河ドラマの題字を書いてきた(変な字を書く)ねーちゃんたちと同じ土俵に上がるんですかい?的なガッカリなのか。


さらに石川氏の弱点と言われてきた、理論で言うほど彼自身の作品は出来ていないという批判を払拭できるのか、興味は尽きません。


(余談だけどさ、変な字を書くねーちゃんたちって、故大渓洗耳さんがやってた東京書作展出身者が多いと思うんだけどなあ)



画像の文言は坂口安吾。


仮に安吾が今の人で、石川九楊氏と関わっていたら皮肉を込めて「ねーちゃんたちと同じ土俵に上がるんですかい?」だろうな。