フォローしているブロガーさんのご紹介で宮本輝の錦繍という小説を読みました。以前夫婦だった男女二人が蔵王山のドッコ沼に向かうゴンドラリフトの中で偶然再会し、その後は手紙のやりとりとして展開してゆく小説です。
こちらは舞台として登場する錦繍の蔵王山~ドッコ沼です。自分は蔵王山もドッコ沼も行ったことはありませんが小説家というのは一体どうやって小説の舞台を選ぶのでしょうか、不思議です。
小説の手法としては書簡形式と呼ばれるそうです。ある意味制約を受ける中での展開というのはさすがプロだなぁ~と思いました。彼の作品は主人公が大抵は関西在住なので自分が学生時代に慣れ親しんだ地名や鉄道が登場して懐かしいです。
今やもう殆ど絶滅危惧種?のはがきや手紙ですが自分はこの小説の出だし部分でいきなり引き込まれました。中々こんな風に手紙は書けませんよね(笑)ただ小説自体は離婚した二人の手紙やりとりなので長くは続かず三日程で読み終えました。
この作品に限らず彼は常に人間の業(ごう)なるものを追い求めているように思います。絵空事ではない現実を見つめるのが読者の共感を呼ぶのかもしれません。小説をあまり読まない自分ですら(笑)彼の作品は好きです。
小説に登場するダリア園はもう無くなっているようですが錦繍のドッコ沼には一度行ってみたいと思います。
と言う訳で本日は宮本輝の小説~錦繍のご紹介でした。おしまい。





