先日図書館の新刊コーナーで見つけたのがアラビアのロレンスの新刊本です。自分はロレンス好きなのでその日に受け取りにいった予約本を直ぐに返して(笑)この本を借りました。著者はラルヌフ・ファインズというイギリスの冒険家、発刊は国書刊行会ですが随分仰々しい会社名ですね。
ところで高校生時代に初めて観た映画〜アラビアのロレンス〜は今でも忘れられない映画ですが自分がこの映画を知るきっかけは何故か両親の勧めでした。ただ最初はストーリーがさっぱり分かリませんでした。
映画でロレンス役を演じた長身のピーター・オトゥールのイメージが強いんですが実際のロレンスは165cmぐらいと割りと小柄な人物だったようです。写真中央のファイサル1世(初代イラク王)の右隣りがロレンスです。
彼はバイクが趣味でスピード狂だったようです。帰国後はひっそりと一人暮らし(生涯独身)をしていましたがバイクで郵便局に向かう途中で道路上に突然現れた人を避けようとして転倒し、事故で亡くなりました。映画ではそれを冒頭シーンとして描いています。
さて歴史的な背景を知るうちに段々と映画の面白さが分かるようになりました。特に社会人になって以降は会社組織と個人の価値観を巡る葛藤などロレンスと同様に人としての生き様を考えさせられる事が多くなりました。
この本では映画では語られなかった彼の非摘出子の出生にまつわる苦悩や退役後の生活ぶりなども描かれています。また実際の行軍過程が地図でも確認出来てとても参考になりました。100年前のオスマン帝国との闘いはヒジャーズ鉄道沿線を中心に展開していました。
あとロレンスは何故かチャーチルから気に入られていました。こんな気難しい人物のお気に入りになるのは珍しいと思います。まあロレンスも変わり者なので似た者同士ですが(笑)ただチャーチルは自身が立案したガリポリ上陸作戦が大失敗だったのでアラビアでのロレンスの活躍は胸をなでおろす出来事だったに違いありません。
おしまい。